資産効率

12月8日の日経新聞、17面の
「日経平均1万5000円 ランキングにみる 4 ROA]
という記事は、ぜひ3回くらい反復してお読みください。

ひさびさに、「これぞ財務分析らしいトピック!」という記事ですよ。

日経新聞が2005年9月の中間決算をもとにして、ROAをランク付け
しました。

そうしたら、なんとROAが10%以上の会社が193社にものぼり、
前年同期比で約14%増えたそうです。

そして、ちょっと注目したいのが、本記事の上段のくだりです。

「…上位でもROAが低下した企業では株価の暴落率が日経平均を下回る
ところが目につき、投資家が資産効率に敏感な様子がうかがえる。…」

これは、面白い現象でして、
たとえば第一位のヤフー(ROA51.7%!)の例では、この数字でも
前年比でROAが8.2%下がっているため、ヤフー株の上昇率は13%
の伸びと、日経平均の34.8%の伸びよりも下回っている、というデータ
が出ています(日経新聞の同記事より)。

(まあ、とはいっても、そもそも日経平均の伸び率34.8%が異常な
 くらいなのですが…(笑))

ともあれ、たとえROAの絶対値がトップランクであっても、前期比較の
観点から減少していれば、投資家の評価が厳しいものになる、という側面は
ぜひ知っておいて下さい。

なお、このROAという指標は、あまり短期の株式投資を基本スタイルと
する投資家の方には、あまり参考とされない傾向があるようです。
どちらかというと、じっくりと長い目で株式投資をする方とか、
中長期的な展望で将来の経営戦略を策定する経営者の立場の人が、
重視するべき指標となりますね。

なお、仮に株式投資に利用する目的でROAを算定することは、もちろん
有意義ではありますが、この収益性指標に加え、現在の株価が割安かどうか
の指標も、組み合わせて銘柄を選定するのが、より確実な投資行動といえる
でしょう。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら