駅近高額物件は本当に高い?【得するためのルール】

時間をお金に換算してみる

テレビなどで活躍するタレントさんの中には、あえて背伸びして家賃の高い家に住み、その家賃に見合うような活躍ができるように努力する人がいるそうです。

頑張っているんだな、というだけではなく、この考え方はある意味で理に叶っています。

賃貸住宅の家賃は利便性の高い立地ほど高くなるのが普通です。
 
たとえば、東京都内の私鉄沿線の例では、新宿から急行で1駅目のA駅(新宿から5分)、特別準急で6駅目のB駅(新宿から乗り換え時間を含めて17分)の物件を比べてみましょう。

いずれも駅から徒歩8分の2LDK、築9年で、Aは約56㎡、Bは約60㎡です。

Aの家賃は18万8000円、Bの家賃は15万5000円で、3万3000円の違いがあります。

新宿駅からの所要時間が違うのですから、単純にどちらがトクとはいえません。

そこで、「見えない損失」を意識して考えてみましょう。

物件Aと物件Bの新宿駅からの所要時間の差は12分。

仕事のために毎月20日、毎日1往復すると仮定すると、1カ月の所要時間の差は8時間です。

そして家賃の差は3万3000円。

この差額を所要時間の差で割ると、1時間あたり約4100円。

つまり、利便性の高いA駅に住む場合、1時間を4100円で買う計算になります。

年収500万円の人が、毎月20日間、毎日8時間強働くと年間労働時間は1920時間となり、単純計算で時給は2600円です。

1時間で4100円稼げる人は、かなり高給取り、ということになるでしょう。

逆にいえば、1時間4100円稼げる人は、通勤に毎日20分以上多くかけるのは損と考えることができます。

通勤に時間をかけるより、その分、仕事をした方が、より高い価値を生み出すことができるわけです。

つまり、毎月8時間、通勤で時間を使うより、高い家賃を払って利便性の高いエリアに住んだ方が得といえます。

企業経営者や、外資系企業の社員など、高所得者が都心に住んでいる例は少なくありませんが、それは時間を買っているのです。

前述の例は4100円の例ですが、同じ駅でも、徒歩圏かバス利用か、徒歩何分か、などによって家賃や所要時間には差があります。

次の引越し先を探す際には、差額と時間、そして自らが仕事で生み出す価値を考え合わせて判断しましょう。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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