原価の3要素とは?【原価のしくみを知る その2】

原価の3要素

原価の3要素・・・「材料費」「労務費」「経費」

材料費

材料費・・・製品製造にむけられた物品の消費額

【製品の主要な部分を構成する材料(直接材料費)】

(1)素材費
自動車の鋼材、家具の板材、お菓子の小麦粉など、原材料となる物品の消費額

(2)買入部品費
自動車のタイヤ、家具の金具など、外部から購入して製品に取り付ける部品の消費額

【製品の主要な部分を構成しないか、あるいは金額的に小額な材料・物品(間接材料費)】

(3)補助材料費
補修用の鋼材、接着剤、溶接棒、燃料など、間接材料費の中では、受払管理すべき程度に重要度のあるもの

(4)工場消耗品費
電球、グリス、機械油、作業費など、製品を製造する過程で消費される物品で受払管理するほどの重要度がないもの

(5)消耗工具器具備品費
ドライバー、スパナ、机、いすなどの工具・器具・備品類で、金額が小さいか、耐用年数が一年未満のもの

労務費

労務費・・・工場で働く人にかかる費用。

いいかえれば「従業員の労働サービスの消費額」

【労務費の形態別の分類】

(1)賃金
工場の現場で働く作業員に対して支払われる報酬。

基本給と、作業に直接関連する割増手当(残業手当、休日手当、危険作業手当など)から構成されます。

なお、現場の作業員にも、製品の加工を行う「直接工」と、加工作業を行わない「間接工」の2種類の人がいます。

(2)給料
工場で働く事務職の人に支払われる報酬

(3)雑給
工場で働く人でも、アルバイトや臨時工などに支払われる報酬

(4)賞与手当
工場で働く人に支払われる賞与、および割増手当以外の手当(家族手当、住宅手当、通勤手当など)

(5)退職金
工場で働く人の退職金にかかる費用。「引当金」という形で、将来の支給額を未払いで見込み計上した額も含まれます。

(6)法定福利費
工場で働く人にかかる健康保険料、労災保険、雇用保険、厚生年金などで、会社が負担する費用。

上記(1)~(6)の費用のうち、(1)賃金で「直接工」が製品加工のために働いた分の額は、「直接工直接作業賃」といい、各製品に直接かかった費用を集計します(直接労務費)。

「直接工直接作業賃」以外の労務費は、間接労務費といいます。

経費

 経費・・・材料費・労務費以外の製造原価

材料の消費額や労働力の消費額以外は、すべて経費となりますので、その内容はさまざまですし、経費の分類に属する費用の数も3要素の中ではもっとも多い。

【経費の形態別の分類】

(1)支払経費
請求書や領収書などの要支払額を持って、その月の経費額として認識する費用。
当月に消費行為があれば、未払いでも認識しますので、注意しましょう。
(例)外注加工費、通信費、交際費、交通費、消耗品費など

(2)測定経費
メーターの測定値をチェックして、当月の消費量を計測し、経費の額を認識するタイプの費用。
(例)水道料、電気料、ガス代など

(3)月割経費
一年や半年など、一定の長期間単位で発生する経費につき、当月の経費額を12ヵ月(一年)や6ヵ月(半年)で割って計算するタイプの費用。
(例)減価償却費、不動産賃借料など

(4)発生経費
その月に発生し把握された額をもって、経費の額とするタイプの費用。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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