自己資本比率の本質を考えてみよう!

今回のお話は会計ネタですが、ビジネスの経営ネタでもあります。
これを知っておくと、自分の会社の安全度や取引先の信用調査にも使えます。

自己資本というものがあります。
バランスシートの左側が資産で、右上の1行目が負債で、右下が純資産といって資産から負債を引いたものです。

そのうち、純資産を自己資本と言いましょう。
これは株主の取り分です。

返済不要なお金を純資産あるいは自己資本と言います。
ということは、左側の会社が持っている資産のうち、資産1,000のうち借金である600の負債を引いた400が自己資本であり、取り分です。

これが多ければ多いほど財務体質が安全です。
自己資本比率は何に使うかというと、景気が良いときは良いのです。

売上が上がっていて利益が十分あれば返済もできますし、自己資本比率がソフトバンクみたいに低くても良いのです。

あれは孫正義さんが天才だからできるのであって、自己資本比率が低くても経営ができるのは天才的な人か、リスクをとっているので景気が良いときだけです。

自己資本比率が低い企業というのは、景気が悪くなってくると危ないのです。
自己資本比率は不況のときの忍耐力と思ってください。

潰れない力です。
これから不況がやってくる可能性が高いです。

消費税が上がって、オリンピック後に不況がやってくる可能性が高いので、2020年以降は景気が悪くなることを想定します。

景気が悪くなったときに最初に潰れる会社は、自己資本比率が低いCとBです。
そして景気が回復したときには既にCとBは潰れているので、Aしか残っていません。

だから、ゆっくりマーケットのニーズを拾えば良いのです。
これが本当の企業の成長の仕方です。

財務体質が悪い企業が潰れたあとの荒れ野原で需要を拾っていくのです。
これが長い目で見た会社経営のセオリーなのです。

財務体質が健全な会社にとって実は不況はチャンスなのです。
ですから自己資本比率を高めることも大事です。

では、全業種平均でいきましょう。
たとえば問屋さんのような卸売業や金融業は違いますが、一般的なメーカーやサービス業には当てはまります。

たとえばA社は1,000の資産に対して600の負債があって、差し引き400の自己資本があるので、40パーセントあります。

最低でも35パーセントは欲しいです。
40パーセントあれば健全です。

そしてB社は20パーセントなので、少し低いです。
完全にヤバいのは10パーセント以下のC社です。

潰れる可能性が高いので、景気が悪くなったら最初に潰れるのはC社です。
40パーセントが◎、20パーセント以下が△、10パーセント以下は×です。

これはあくまで一般論ですが、かなり使える健康診断の最初のステップですので、兆候を見てください。

顧問先で7パーセントという危険水域だった人が70パーセントに上げた方もいらっしゃいます。

ですから、諦めずに40パーセントを目指してください。
中小企業は40パーセントの自己資本比率を目指して経営したほうが良いと思います。

頑張ってください。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら