損益計算書における利益の段階表示 ~4つの利益の意味~

今回は会計ネタです。
損益計算書について、重要な情報である利益の見方について簡単にレクチャーしたいと思います。

損益計算書というのは報告式といって、上に売上高があって、一番下に最終的な損益が表示されます。

この途中でいくつかの利益を段階的に表示しますが、こういうものを報告様式と言います。
日商簿記検定3級で学ぶのは勘定様式と言って、T字の形で右に収益、左に費用を表示して、その差額として通常は左下に当期純利益が出ます。

しかし、実務では報告様式が一般的です。
その報告様式に従って見てきたいと思います。

これは経営分析上とても大事で、ビジネスマンとしての一般教養としても大事です。
こういったことが普段の企画会議みたいな所でも出てきます。

上は売上高で、商品を引き渡したときの数量と売価です。
この売上高から売上原価(仕入原価)を引いたものを俗に粗利益と言いますが、正式名称としては売上総利益と言います。

この売上総利益は製品の競争力を表します。
売上高から原価を引きます。
あえて言うならば、同じ原価でも高く売れれば粗利益は増えます。

あるいは、同じ原価でも、もしその商品を高い値段で売れないと思ったら値引きをしますが、値引きをするということはその製品に魅力があまりなくなってきているということです。

値引きをしないと売れないということなので、粗利益が小さくなるということは製品の競争力が落ちてきているということです。

ですから、数年前と比べてその商品の粗利益がどれぐらいになっているか、粗利益率と言いますが、粗利益を売上高で割ると売上高粗利益率、あるいは売上高総利益率というものが出てきます。

これが減ってくるということは、値引きしないと売れない、あるいは同じ商品の値段でも仕入れ単価が上がっているということで、どちらにせよ十分な高い値段で売れなくなっているので、それは製品の市場における競争力が下がっているのです。

社長の第一の経営目標はこの粗利益です。
営業上の必要経費は全てこの粗利益から払われますので、社長の第一の経営目標は粗利益を十分に確保することです。

次に、売上総利益を十分に稼いだら、そこから給料や役員報酬や旅費交通費や水道光熱費など諸々の費用を引いて営業利益を出します。

これが本業の儲けです。
これは大事です。
だいたい5パーセントぐらいがひとつの目安です。

そこから財務活動の金利を足したり、支払利息などを引いたり、有価証券の売買損益などを足し引きして経常利益を出します。

社長の総合力をみるのは実は経常利益です。
これは日本特有の利益で、とても使えます。

そして、税金やその他の臨時項目を引いたら当期純利益という最終的な利益が出ます。
これは処分可能利益と会計学的には言われていて、配当の財源になる利益です。

このように売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益という4つの利益の段階的な表示の意味をイメージして頂ければと思います。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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