D・カーネギー「人を動かす」第2原則(重要感を持たせる)とマズローの欲求5段階説

今回の「前を向いて歩こう」は、デールカーネギーの「人を動かす」についてのお話です。
最初にベーシックな三原則があって、そのうちの第二原則についてお話をしてみたいと思います。

第二原則は「相手に重要感を持たせる」というテーマです。
この三原則はすべての総論に位置づけられていますが、第一原則が「盗人にも五分の理を認める」ということです。

つまり、悪いことをしている人でさえ自分が心から悪いと反省する機会は滅多にないということです。

自分に言い訳をしてしまうのが人間の性だということです。
自分を守ってしまうのです。

そういう人の立場に立つと、悪いことをしても自分は悪くないと思ってしまうこともあるのだという、人の本性のようなことを言っています。

2番目が今回お話しする「重要感を持たせる」というお話で、3つ目が「人の立場に身を置く」ということです。

いずれも3番目の「人の立場に身を置く」に近いです。
自分が心から悪かったとはなかなか言えません。
これは人の立場の1つの例です。

あるいは、「重要感を持たせる」というのは、「自分は重要な人間だ」というふうに世間から認められたいという気持ちを皆持っています。

これも「人の立場に身を置く」ということの1つの局面かと思っています。
従って、最終的にこの三原則というのは第三原則の「人の立場に身を置く」というところが一番広いのかと思っています。

そうは言いながら第二原則も大事です。
ここにしっかり注目しておくと、コミュニケーションで大きな成果が得られたり良い人間関係が築けるという話です。

第二原則について見ていきます。
私はマズローの欲求5段階説を引き合いに出してお話をしたいと思います。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、マズローの欲求5段階説は一番低い次元で生理的欲求というものがあります。

これは食事や睡眠や性欲などの本能的な欲求です。
自分あるいは自分の種族を維持するために最低限必要な生理的欲求で、物理的欲求ともいいます。

これが満たされると、今度は安全欲求です。
身の安全、健康的な安全、それから精神的な安全、経済的な安全といったものがあります。

夜に出歩いても襲われない社会だったり、外の敵から襲われないといったような身の安全が保障されているというのが安全欲求です。

これが満たされると、次からは今の社会で特に大事なことです。
飢えで死ぬことも今の日本の社会ではなかなかないですし、安全もある程度満たされています。

そうすると、職場や家庭など色々な場面で大事なのは社会的欲求と承認欲求だと思っています。

最終的には、これらをすべて総括して、さらに高いレベルの自己実現欲求というものがありますが、現実的には3番目の社会的欲求(帰属欲求)と4番目の承認欲求(尊厳欲求)がメインだと思います。

3番目の社会的欲求というのは「私はここにいてもいいのだ」と居場所があるということです。

必要とされているかどうかというのが非常に大事です。
そして、自分がグループに所属しているということが実感できて安心できると、次に自分が人として認められているかどうかという承認欲求が出てきます。

ですから、実はコーチングの承認というのは高いのです。
第四段階の高い段階の欲求に対応していますので、承認がしっかりできるというのは人間関係が高いレベルで維持できるのです。

その上に自己実現があるのです。
というふうに考えると、承認というスキルはかなり大きいのです。

デールカーネギーの言う「重要感を持たせる」というのは、まずは「自分は社会と必要とされている」「この職場から必要とされている」ことです。

さらに一歩進めて、「職場の社員として尊重されている」「コミュニティの一構成員として重要に思われている」ということです。

必要とされている、尊重されているという気持ちは精神的な安定をもたらします。
そして、それをするために大事なのは、相手の立場に立ったら率直で誠実な評価を与えることです。

心から相手を信頼して、相手に誠実な評価をあげることです。
真剣に人格に向き合って評価をすることと、時には心からの感謝を示すことです。

これらを意識して相手の承認欲求や社会的欲求に働きかけてお互いに良い人間関係を築くと、プライベートでもパブリックの場でも円滑に物事が進みやすくなるのではないかと思っています。

これは私も意識したいと思いますので、お互いに意識して頑張っていきましょう。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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