連結仕訳2~子会社の当期純利益の振替~
頑張ろう日商簿記2級合格、そして頑張ろう日商簿記検定1級合格に共通するのですが、連結決算における第2段階です。
第1段階は投資と資本の相殺消去でした。
つまり、親会社における子会社株式と子会社における資本金・資本剰余金・利益剰余金などの支配獲得時の相殺すべき純資産の相殺仕訳が終わったあとに、子会社が得た利益のうち持分相当は親会社に帰属します。
例えば70パーセントの持分を取得したら70パーセントは親会社で、30パーセントは非支配株主なので、子会社が獲得した支配獲得後の利益のうち、例えば7対3で7割が親会社に帰属して、親会社の連結損益計算書に取り込まれ、3割は非支配株主持分に振り替えます。
そのあたりの子会社の当期純利益の振替について見ていきます。
これは支配獲得後の話です。
子会社の当期純利益100のうち、70パーセントのみを親会社に取り込みます。
今回はバランスシートを無視します。
親会社であるP社の損益計算書は収益よりも費用のほうが少なくて、収益のほうが50多いです。
S社の損益計算書上は、費用よりも収益のほうが大きかったです。
例えば借方の費用が30で貸方の収益が50ならば、差し引き貸方のほうが20多いので、少ないほうに帳尻を合わせます。
貸方残高のほうが20あるということです。
もちろんP社もそうで、貸方の収益のほうが50多いということです。
ということは、まず単純に50と20を合算して70にしますが、よく見ると支配獲得後は7対3に取り分を分けなければいけないので、いったん合算して70にしたあとに、非支配株主持分の30パーセント相当は削除します。
20×0.3=6は削除して、20-6=14という形にします。
最後は50+14=64になります。
でも、いきなり64というふうに14を足すのではなくて、20をいったん足して3を引くという2段階のステップを踏むということを知っておいてください。
これが連結の基本です。
いったん単純合算をしてから引くという、遠回りのような処理をします。
では見ていきます。
P+Sの純利益は、Pが50でSが20ですので、これを足して70になりました。
そして、Sの20のうち14がPに帰属して、64にします。
そして、6は非支配株主持分に振り替えます。
費用の一端のようになると考えて、借方に費用のようにあげなければいけません。
そうすると、連結修正仕訳は「非支配株主に帰属する当期純利益」という名前になります。
(借方)非支配株主に帰属する当期純利益6、(貸方)非支配株主持分6となります。
その結果、70から6を引いて、P社の連結損益計算書は非支配株主に帰属する利益6が利益のマイナス項目に加わって64となります。
この構成はP社の当期純利益とS社の20×0.7(つまり14)を足して64になります。
このように、いったん50+20で70にしたあとに非支配株主に帰属する6を引いて、50+20-6=64という当期純利益になります。
このプロセスを知っていただくと、連結の仕訳の全体像が見えてきて、面白いと思います。
ぜひ参考になさってください。
わたしはいつもあなたの日商簿記検定2級・1級の合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。