会計方針の変更と利益剰余金期首残高の修正仕訳(日商簿記1級)

今回は頑張ろう日商簿記1級合格です。
初めて勉強したときに苦手な論点の1つとして会計方針の変更と利益剰余金期首残高の修正仕訳があります。

これは時々会計学で出ますが、知っていると点が取りやすい問題で、知らないと取れないという差がつきやすい部分なので、この機会に期首の修正の意味について理解しておきましょう。

実は、この知識は連結修正仕訳のうちの開始仕訳に相当します。
前年以前の連結修正を再度開始仕訳で再現するという連結開始仕訳にも通じる話です。
では簡単な事例を見ていきましょう。

バランスシートは簡単で、現金の借方1,500万円あるとしてください。
繰越商品勘定の商品残高は先入先出法とします。
繰越商品は200万で、合計1,700万円です。

バランスシートの貸方は買掛金という負債が500で、資本金が1,000で、利益剰余金は期首残高が100で、当期の増加分が当期純利益100で合計200あると思ってください。

たまたま繰越商品の借方残高200と利益剰余金の200は同じになっていますが、これは偶然です。

利益剰余金は前期、平成30年3月31日の決算期においては利益剰余金期首残高100で1年間配当とかの変動がありませんでした。

そして、期末に当期純利益100を加算して200になりました。
貸借対照表は現金の借方1,500と繰越商品200を合計して1,700が資産合計です。

貸方の負債および純資産合計は、買掛金500と資本金1,000と利益剰余金200の合計1,700で、借方と貸方が同じです。

そして、当期の100というのは下です、柴山式総勘定元帳、左下が費用です。
仕入ですが、当期の仕入が850で、期首の商品残高が150で、合計で借方は1,000です。

貸方は期末商品棚卸高200を引いて、借方繰越商品を持って来ます。
これは簿記3級レベルです。

それで売上原価は結局800です。
売上が900で、差し引き利益が100ですが、この100が利益剰余金に資本振替ということで振り替わりました。

これが3月31日です。
そして、翌日(当期)の期首は、資産・負債・純資産という残高項目はストックで繰り越しますが、売上・仕入は損益項目といってフローですのでリセットして0になります。

しかし、現金や繰越商品や買掛金や資本金や利益剰余金はすべて残高を引き継ぎます。
利益剰余金で200で繰り越しましたが、これは商品が先入先出法で評価した200であるという前提です。

これを踏まえて、次に先入先出法を平均法(移動平均法・総平均法)に評価を変えたら、期末の商品残高は190と再計算されました。

これが当期の状態です。
当期になってから過年度も平均法で評価をし直しました。

会計方針が変更された場合は遡及修正といって過年度以降も平均法だったらということでやります。

そうすると、今年の期末から平均法ですが、去年の期末も平均法で計算し直します。
その場合は過年度の利益が変わります。

なぜかというと、先入先出法の場合は200だったのですが、移動平均法か総平均法か分かりませんが平均法に変えたら190に変わったのです。

このようなケースはあります。
日商検定1級の過去の会計学にもこれは出ています。

200を190に直さなければいけないので、遡って去年の元帳がどうなるかというと、(借方)仕入10 (貸方)繰越商品10という遡及修正が必要になります。

そうすると、850の当期仕入に期首が150で、期末は200だったのが190に変わったので、利益が100から90に変わります。

そうすると、利益が下がるので利益剰余金の前期末も200ではなくて190に下がりました。
この10が下がったものが当期はどうなるかというと、過年度の損益の修正は利益の期首残高に影響します。

今年の仕入・売上はそもそもゼロなのだから修正しようがないのです。
そうすると、仕訳は、資産・負債・純資産項目について過年度の修正をするしかないです。

去年の損益・売上はいじれませんので、去年は(借方)仕入10 (貸方)繰越商品10というふうになりますが、今年の仕入はいじれません。

去年の仕入は利益剰余金の残高に反映されますので、残高項目では利益剰余金が去年の仕入なのです。

去年の仕入勘定に相当するもの、これが連結修正仕訳に関係します。
去年の仕入勘定に相当するものが、今年は利益剰余金の期首残高なのです。

去年の損益は今年の利益の期首残高です。
利益剰余金の期首残高に影響するので、(借方)利益剰余金期首残高10 (貸方)繰越商品10となります。

つまり、資産と純資産の項目の修正になっています。
損益項目の過年度の修正は当期の総勘定元帳ではできません。

これは連結の開始仕訳もそうです。
過年度ののれんの償却や過年度の未実現損益というのは今年できませんから、利益剰余金の期首残高ですべて調整するのです。

要するに、前年度以前の損益の修正は当期の利益剰余金期首残高で修正するのだということを知っておいていただくと、連結の開始仕訳にも通じる話になります。

この問題は分かりづらくて苦手な方が多いので、過年度の損益は今年の利益剰余金の期首残高に影響するということを知っておいていただくと、会計理論に対する理解が深まると思います。

ぜひ参考になさってください。
私はいつもあなたの日商簿記検定合格と簿記学習を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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