売上の計上日をいつにするか?

今回の「がんばろう日商簿記1級合格」は、売上の計上日について少し細かく考えてみたいと思います。

比較的会計理論的で実務的な話なので、日商検定で出題されるかというと微妙なところではありますが、このようなことも知っておくと簿記検定1級や2級の勉強にも少し興味が持てるのではないかと思います。

これは税理士の財務諸表論や簿記論、あるいは公認会計士試験の財務会計の理論で出題されるのならばおかしくないですし、日商簿記検定1級レベルならば試験問題の資料の中に出てもおかしくありません。

それから、企業にとっても(特に決算日を跨いだときの)売上をどのように考えるかというのは判断が迷う部分ですので、この機会に整理しておきたいと思います。

売上は収益と言いますが、収益の計上時期について会計理論では「実現の日」と言います。具体的には、例えば法人税の基本通達のような規程などを見ると「引き渡しの日」となっていますが、では「引き渡し」とはどういうことを指しているのでしょうか。

コンビニでおにぎりを買う時のように、その場で商品をレジで渡すという場面が分かりやすいですが、遠隔地との取引の場合は商品の出荷日と到着日が違う場合もあります。

今回は引き渡しまでに少し時間がかかると考えて説明をします。
法人税の基本通達などでは、出荷、到着、検収それぞれの日を引き渡しの日としています。

売上に関連する一連の実務についてですが、注文を受けて、物を作って、完成したら、完成日に売上を計上するかという問題もあるのですが、多くの場合は出荷日を引き渡しの日としています。

出荷した場所と受け取る場所が離れている場合は出荷した日の翌日以降に到着する場合もあります。

例えば出荷日が8月31日とした場合、その会社の決算日が8月31日だとすると8月31日までの売上なのです。
あるいは到着日を売上日とする場合もあります。

到着イコール検収になるケースもありますが、精密機械や発電所の設備などは試運転が必要になりますので、到着したときの到着の認印があった日や、検収後に相手が検収印を押したときを売上の計上日とすることもあります。

他にもありますが、ざっくり言うと、出荷、到着、検収したときが引き渡しの大きな流れです。
そして、そのあとに請求書を発行します。

大きい取引の流れとしては、受注日、完成日、出荷日、到着日、検収日、請求日があります。

特に中小企業の実務であり得るのは、請求書を書いた日付で計上するのが分かりやすいので、請求日で売上を計上してしまうケースがあるのですが、請求書の日付というのは会社のほうである程度恣意的に変えることができます。

9月10日にすることもできるし、8月31日時点で出してしまうこともできるし、請求日というのは単に請求書類の作成日であって製品の引き渡しとは関係ないので、売上計上を請求日にしている場合は注意が必要です。

税務調査などで出荷日が本当の引き渡しではないかという解釈で争う場合もあります。
実態の候補としてよくあるのは、出荷日か、到着日か、検収日です。
請求日というのは私の解釈では間違いであることが多いと思います。

一般的に会社としては出荷のデータが取りやすいので、実務では出荷日を売上計上の日としていることが多いのではないでしょうか。

次は到着日と検収日を売上計上の日とすることもあり得るし、むしろ契約的な実態からすると相手側に商品が到着してOKが出てからのほうが売掛金の確定がしやすいと思います。

ですので、9月1日や9月2日というケースが実態的には多くの現場であり得ると思いますが、実務上の要請では到着日と検収日というのは相手の協力が必要になるのでデータが迅速に集まりにくいということがあります。

迅速に決算をするには、自分の会社の倉庫のデータを使用したほうが早いので、実務上の都合から出荷日を売上計上日としていることが多いです。

商慣習としては出荷日を売上計上日としていることが多いので、出荷日を継続的に適用していることで出荷日を売上計上日とする実務上の便宜があります。

あとは契約の実態によって到着日や検収日を売上計上日とすることもあります。
概ね許容範囲としては出荷日と到着日と検収日の3つの時点で売上計上をルールとして決めています。

計上日を頻繁に変えると不正ができてしまうので、どの時点で売上計上をするかを決めたら、その計上日を継続して適用します。

売上計上日は出荷日・到着日・検収日と幅を持たせてみる解釈もありますので、その場合はどれをもって実現したのかという判断は会社できちんと経理担当者や会社の実態や会計事務所と議論をきちんとして、実態に合わせて見直しておく必要があると思います。

ご参考になれば幸いです。
私はいつもあなたの日商簿記検定1級の合格、そして簿記の学習を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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