タカタ、米子会社売却を検討

エアバッグのリコールで苦境に立たされている、タカタが、米子会社のアービン・オートモーティブ・プロダクツ(ミシガン州)の売却を検討している、と報じられました。

タカタといえば、全世界で5千万台を超えるといわれるエアバッグのリコールに関する費用負担が、巨額に登り、6000億円を超えるのではないか、とも見られており、その一部を捻出するために、今回の米子会社の売却が話題となったのですね。

なお、6000億円もの巨額の支出をもしも余儀なくされることになれば、会社の存続にも関わりかねませんね。

ご参考までに、タカタの平成28年3月期の業績予想は、連結売上高7200億円、営業利益400億円、当期純利益50億円です。

また、平成27年12月末時点の純資産(おおむね株主の持分に相当)は、1451億円です。

こう考えると、直近における純資産の4倍にものぼるリコール費用は、やはりタカタにとって、非常に大きな負担で得ると言わざるを得ません。

そこで、このような将来の費用負担への対策の一環として、子会社の米アービン・オートモーティブ・プロダクツ(ミシガン州)が売却対象として検討されている旨が報じられました。

自動車のシート等に使う内装材の製造・販売を手がける非中核事業を数百億円程度で売却し、保有する自動車大手の株式も手放す、とされています。

保有株は大半を売却する見通しです。

ご参考までに、相互持ち合い株など、長期保有目的で所有している株式は、バランス・シート上、「投資有価証券」と呼ばれます。

また、子会社の株式は「子会社株式」または「関係会社株式」と表示されます。
こういった投資有価証券や子会社株式などが売却されて生じた売却損益は、臨時的な損益として、親会社の個別損益計算書の上では、特別利益または特別損失として処理されます。

連結損益計算書では、投資有価証券の売却に関する損益は特別損益となり、個別決算と変わりません。

いっぽう、子会社株式の売却に関わる差額は、売却によって支配を喪失する場合には、連結上の一定の調整を経たうえで、子会社株式売却損益を計上します。

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(参考。日商1級レベル)
仮に、子会社の株式を売却したあとも支配を継続する場合は、子会社の売却損益は計上せず、バランスシートの純資産・資本剰余金という項目を直接増減させます。

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ちょっとややこしいですが、ポイントは、「連結損益計算書には、投資有価証券の売却、または売却後に支配を喪失する子会社株式の売却に際しての株式の売却差額を、特別損益として表示する」と知っておくとよいでしょう。

ご参考になさってください。

(日経16*3*22*1)

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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