東京建物が個人向け社債で100億円調達
東京建物が7月に初の個人向け社債を発行するそうです。
6月18日の日経新聞朝刊17面で、期間6年、総額100億円程度の社債を個人向けに発行する予定であることが報じられています。
表面利率(クーポン利率)は0.4%~0.8%程度を見込んでいるとか。
これでも定期預金よりはまし、とか、ほんっと、低金利時代ですね~(苦笑)。
東京建物は、調達した資金をマンション用地などの投資資金に充当する予定だそうです。
2019年12月期までの5年間で不動産開発などに7200億円を投下する計画があるともいわれています。
会計処理としては、社債は借入金とならんで、代表的な有利子負債(利払いを伴う負債)ですから、
バランスシートの負債の部に計上されます。
通常は、償還(返済)まで数年間を要しますので、固定負債の部に表示されます。
*****バランスシート
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(流動資産)**|(流動負債)
********|**:
********|(固定負債)
********|社債***100億円
********|**:
********|**
なお、社債の償還期日が決算日の翌日から一年以内になりますと、流動負債の部に表示が移されます。
このように、決算日の翌日から一年以内に解消されるものかどうかで流動・固定の区分を決めるルールを「一年基準」とか「ワンイヤールール」とか呼んだりします。
*****バランスシート
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(流動資産)**|(流動負債)
********|**:
********|一年内償還*100億円
********|予定の社債
********|**:
********|(固定負債)
********|**:
********|**
資産の側でも、貸付金や定期預金などは、一年基準によって流動資産または固定資産に区別されます。
ご参考まで。
社債も借入金も有利子負債ですが、両者の違いは「直接金融」か「間接金融」かという点が大きいです。
直接金融は、資金の出し手と調達側が直接つながっているケースで、社債の場合は、社債を購入する投資家と、社債を発行して資金調達をする会社が直接むすびつきます。
いっぽう、間接金融は、資金の出し手と調達側の間に銀行などの介在者が入るかたちです。
預金者と借入をする企業は、直接の関係がありませんね。
あくまで、銀行という資金の媒介があって、そこを経由して預金が企業の借入資金となって流れていくわけです。
株式の発行は、株主と会社の直接的な取引ですので、もちろん直接金融です。
今回は、東京建物に関する日経新聞の時事ニュースから、社債について
考えてみました。
(日経15*6*18*17)