不二サッシ、優先株を消却
不二サッシは15日、りそな銀行が保有する優先株式150万株を取得して、その後消却することを発表しました。
(不二サッシの関連サイト)
http://www.fujisash.co.jp/hp/company/ir/news/tdisc/5940td150615.pdf
これによりますと、不二サッシは平成18年3月(2006年3月)に、固定資産の減損にかかる会計基準を厳正に適用するとともに、広範囲の資産洗い直しに伴う資本の毀損を補填するために、優先株式140億円と転換社債型新株予約権付社債20億円の計160億円を発行し、経営基盤の立て直しを図りました。
その後、2015年3月までに5期連続の黒字を達成、収益性の向上・有利子負債の削減・手元資金の確保など、財務体質の強化について一定の成果が上がったとの結論に達したため、残る優先株式全部を取得し、償却するという決定に至ったわけです。
優先株式の買取額は150万株×2千円=30億円です。
取得予定日は2015年7月15日ということです。
なお、優先株式の発行と買取・消却の一連の手続きに関する会計処理(仕訳)は、現行の日本基準では資本取引として取り扱われます。
つまり、負債の増減ではなく、資本金等の増減として取り扱われます。
(1)株式の発行
A社は、優先株式を発行し、現金1,000万円の払込を受けた。
(借方)現金1,000万円 (貸方)資本金1,000万円
(2)株式の買取
A社はその後、財務体質が改善されたので優先株式を1,200万円で買い取った。
(借方)自己株式1,200万円 (貸方)現金1,200万円
※この時点で決算を迎えると、純資産の部に「自己株式△1,200万円」と控除される形式で表示されます。
(3)株式の消却
A社は、買い取った自己株式をその他資本剰余金を原資として消却した。
(借方)その他資本剰余金1,200万円 (貸方)自己株式1,200万円
自己株式の消却は、買い取った自社株式を消滅させてしまうことですので、そのさいにその他資本剰余金と相殺させることになります。
現行の制度においては、
優先株式の発行は、資本金の増加
優先株式の取得は、自己株式の取得
こんな感じですね。
不二サッシの財務戦略に関する時事ニュースでした。
(日経15*6*16*17)