日経平均が15年ぶりに2万円台を記録
10日の株式市場では、日経平均株価が1時2万円の大台を回復しました。
これはITバブル期の2000年4月以来、じつに15年ぶりのことです。
アベノミクス、絶好調ですね。
ところで、日経平均というのは、日本経済新聞社が、流動性(換金のしやすさ)など、さまざまな観点にもとづき、東京証券取引所一部に上場されている企業の中から選定した日本を代表する225の企業につき、一定の算式に従って計算した平均株価です。
日本経済の趨勢(すうせい)を見るうえで、世界的にも注目されている重要な経済指標のひとつなのですね。
日経平均株価の動きは、じつはドル円の為替レートにも大きく影響を与えています。
日本の株式市場の特徴として、外国人投資家の存在が大きいため、取引開始時に円買いドル売りなどの為替取引が生じます。
この影響も、為替相場にはあるのですね。
一般には、日経平均が上がるとドル高円安になり、日経平均が下がるとドル安円高になりやすいです。
日本の証券市場には外国人投資家が多く投資しているという事情にその背景があります。
株価と為替の関係はけっこう深いのですね。
さて、株価が好調な昨今、会社が所有している有価証券の評価も上がっているところが多いと思います。
ここで、基礎知識として、有価証券の評価方法についてかんたんに会計ルールをまとめてみました。
知識レベルは日商1級の入門といった感じです。
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【有価証券の期末評価方法】
考え方:有価証券を、会社の所有目的に応じて4種類に分類し、それぞれの区分に従った評価方法を用いてバランスシートに計上します。
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1.売買目的有価証券(3級レベル)
時価の変動による利益を得ることを目的として所有している有価証券。
トレーディング目的ですね。
このような有価証券は、決算日時点の時価がいくらか?といった情報が大事なので、取得時の購入額(取得原価といいます)から、期末の時価に評価額を置き換えます。
時価と取得原価の差額は「有価証券評価損益」として、損益計算書の営業外収益または営業外費用の区分に表示します。
2.満期保有目的債券(2級~1級レベル)
満期まで所有することを目的として所有している国債・社債などの債券のこと。
途中で売却する予定はないはずなので、決算日時点では時価に評価替えせず、あくまで取得原価をベースに評価します。
なお、額面(償還額)と異なる金額で取得した場合は、取得原価に多少の調整をします(償却原価法)が、詳しくは、簿記検定2級ないし1級の本試験レベルの知識が必要になるので、ここでは割愛します。
決算書を読む分には、別に具体的な調整方法を知らなくても支障はないですしね。
3.子会社株式・関連会社株式(1級。来年から2級に!)
会社を支配している場合(子会社)または重要な影響を与えている場合(関連会社)の投資先の株式のこと。
子会社は持ち株比率にして50%超であるケースが多く、関連会社は持ち株比率にして20~50%であることが多いです。
子会社・関連会社の株式は、経営戦略上、今のグループ体制を維持するためには、中途で売却して支配を手放すことが考えられないので、時価で評価する必要性がなく、取得原価のままバランスシートに表示します。
4.その他有価証券(1級。来年から2級に!)
売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社株式、関連会社株式以外の有価証券のこと。
期末は時価で評価します。
評価差額は損益とせず、全部を純資産の部に直入します。
(ただし、部分純資産直入法という方法の時は別処理。)
以上、ひとくちに有価証券といっても、いろいろな種類があるんですね~。
なお、会社の決算書上、売買目的有価証券と、償還日まで一年以内となった満期保有目的債券は流動資産の「有価証券」として表示されます。
それ以外は、固定資産の「投資有価証券」とか、子会社株式と関連会社株式はそのままの表示科目などで表示されます。
ご参考になさってください。
(日経15*4*11*1)