機械受注が3四半期続けて前期より増加(日経15*2*13*5)
内閣府が12日に発表した2014年10月~12月の機械受注統計によりますと、「船舶・電力を除く民需(季節調整値)」が2兆4196億円で前期比0.4%の増加だったそうです。
2015年1月~3月期も1.5%増える見通しということで、改善の動きが続いているようですね。
昨年、消費税率を上げた2014年4月~6月期はマイナス10.4%と大きく下げましたが、7月~9月期以降は持ち直しているようです。
内閣府の判断としては、ゆるやかな持ち直しの動きが見られる、という見解です。
機械受注は、いうなれば「将来の売上の約束」ですから、業績の予想をする上でとても重要な指標となるのです。
以前、私が監査法人にいたとき、製造業の監査をする時には、その事業所の受注残高明細をみて、過去からの趨勢を把握し、今後、売上が伸びる方向にいくのかどうかなど、おおまかな経済情勢や業績のトレンドを理解するために重宝させていただきました。
売上が下がると企業が予測すると、その決算日までに売上を無理してでも増やそうとするプレッシャーがかかることがあります。
そうなると、一般的な話ですが、決算日直前の駆け込み売上が増加しやすくなります。
なかには、倉庫を移し変えただけとか、海外の倉庫に製品を移転して売上のように仮装するなど、架空売上にもつながりかねない不正の背景になることがあるからです。
人間、貧すれば鈍(どん)する、と言われるように、目先の売り上げが下がると予想すると、その穴埋めをなんとかしようとする意識が芽生えてきても不思議ではありません。
だから、将来の予測は監査をする上でも重要となるのです。
ちなみに、機械受注統計を見るときは、「船舶・電力を除く」というデータを見ます。
なぜならば、船舶・電力はその時の時勢とはあまり関係なくドカンと受注額が出たり出なかったりして前後のトレンドの撹乱要因となることが一つ。
また、これらの売上がたつまでには、かなり長い期間を要するため、受注統計の重要な目的である6カ月~9カ月先の売上トレンドの把握には、やはり不適格なデータとなってしまうのですね。
出来るビジネスマンは、マクロ経済の将来の予測も取り入れながら、いまからいろいろと手を打ち、準備をしていくものだと思います。
日経新聞が有効である理由の一つが、このマクロ統計に関するデータ提供が豊富である、という点にあることを見逃すことはできませんね。