コーチングとカウンセリングの違い【前を向いて歩こう161】

前を向いて歩こう、今回は「コーチングとカウンセリングの違い」というテーマでお話をしたいと思います。

この動画ではこれまでにも何度かコーチングの話を引き合いに出して解説をしたことがありましたが、そもそも「コーチングとは何か?」という、はっきりとした意味や定義がわからない状態で話を聞いていることもあるかもしれません。

また、「コーチングってなんだと思う?」と聞くと、ピンと来ない方も多いです。
「カウンセリングと同じようなものかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

カウンセリングとコーチングの根っこは同じですが、すごく大きな違いもあるということをこの機会にご理解いただければと思います。

これがわかると、あなたの今後の部下のマネジメントや他者との対話の仕方が少し変わってくるかもしれません。
コーチングの世界はとても面白いです。

私が代表を務めている柴山会計のユニークな点は何かというと、コーチングとカウンセリングの考え方を普段の指導やその人との関わりのなかで強く意識しているところで、同業他社と差別化している点だと思っています。

世の中の税理士をはじめとした士業の方がこのノウハウを身に付けるだけで、ご自身の事務所の売上やお客様との信頼関係がグッと上がるのではないかと思っています。

今回は、カウンセリングとコーチングの違いと共通点についてお話します。
カウンセリングとコーチングはどちらも基本的なゴールは同じで、「自分の力で問題を解決できるように寄り添う」ということです。

「寄り添う=併走する」という部分がポイントで、教えるのではなく、あるいはメンターでもありません。

最後はその人が自分の足で立って、自分の力で問題を解決できるように寄り添うのですが、そのときの手段が「対話」です。

対話の手段を用いて、最終的には自分自身で問題を解決できるようになってもらいます。
このゴールに向けて寄り添うのです。

そして、ご自身が自分の人生や職場における問題を自力で解決できるようなマインドが手に入ったときに、いったんコーチングやカウンセリングは終了します。

これは日商簿記検定1級の勉強でも同じで、合格がゴールではないのです。
合格に向けて自分の力で問題を解決できるようになったら、カウンセリングやコーチングは終わりです。

現在、柴山式簿記1級講座のオプションとして私の個別コーチングを電話で行っています。お客様が絶えず、お待ちいただいている方もいらっしゃるような状態ですが、何が大事かというと、他人のせいにしない、人のせいにしないということです。

最後は私との対話を通じて「やっぱり受かる・落ちるも自己責任だから、自分次第なのだな」ということに気づいてもらって、最後は合格レベルに到達していただきます。

そのため、私のコーチングを受けると、気がつくと力がついているのです。
ただし、依存をしてはいけません。

最初は「柴山に教えてもらえるからいいや」という考えでもいいですが、最後は「自分で考えて前向きに生きなければいけないのだな」という気持ちなってもらうのが柴山式のコーチングです。

ちなみに、簿記1級受講生の方は毎月15,000円でコーチングを行っています。
簿記1級講座を受講していなくてもコーチングは行いますが、その場合は正規料金になります。

このようにコーチングとカウンセリングの共通点は、「自分の力で問題解決ができるように寄り添う」というなかで、対話とオーダーメイドを行います。

では、カウンセリングとコーチングの違いは何かというと、軸が違うのです。
カウンセリングは「プライベート」を扱うのに対して、コーチングは「パブリック」なものを扱います。

パブリックというと、たとえば「仕事の効率を上げる」や「組織目標を達成する」や「資格に合格する」などです。

仕事でもスポーツでも何でもいいのですが、生産的な、あるいは公な状況について自分で問題解決をしてもらうのがコーチングです。

それに対して、カウンセリングはもっと泥臭くて、「個人・家族・人間関係の悩み」など、プライベートな内容を扱うとカウンセリングになります。
簿記1級の勉強でも、モチベーションを下げる原因にはプライベートなものが多いのです。

たとえば、女性であり得るケースですが、以前は旦那さんと子どもの家族4人で暮らしていて、それまでは自分が「奥さん」として頑張っていたのですが、ある程度時間が経つと、旦那さんのお父さんが亡くなってしまい、お母さんが1人になってしまいます。

そうすると、お母さんは寂しくなって旦那さんを呼んで「同居しましょう」という話になり、お母さんとの同居が始まります。

たとえば、季節に1回行く程度しか顔を合わせないのであれば、逃げ道があるからその場ではいい顔をするのですが、毎日一緒に暮らすとなったらどうでしょうか。

お互いの着ているものも洗濯しますし、朝昼晩のご飯も一緒です。
子どもの教育も目の前でお母さんが見ているわけです。
そうなるといろいろ言いたくもなります。

そんな状況で、「実は、同居するようになってからお母さんとの関係で悩んでいます」という相談が出てくるのです。

「気持ちはわかるけれど、どうやって対処していいのかわからない」や「ここでは自分の言いたいことを言っていいのかがわからない」という相談もあります。
これはコーチングではなくてカウンセリングです。

こういうときにどうするかというと、まず1つは「いきなり自分の意見を言ってはいけない」ということです。

しかし、相手は意見を求めています。
最初は依存(他責)なのです。

コーチングも同じで、最初は必ず誰かに依存したくて来るのです。
それはべつにいいのですが、それを否定しないで、まずは受け入れて共感することです。

カウンセリングには「受け入れ」「共感」「自己一致」というものがあります。
これはコーチングも同じなのですが、扱っている内容が違うのです。

他のケースも紹介しますと、これもあまり人には言えない話で、時々ある深刻な話なのですが、結婚して3年ぐらい経つ若いご夫婦で、子どもがほしいと思ってもなかなか子どもができないという状況です。

家からも「そろそろ子どもがほしいわね」と言われるのですが、それがプレッシャーになります。
旦那さんも子どもをほしいという状況だと、夫婦でケンカになってしまいます。

「私はどうしていいのかわからない。実はこのあいだ『離婚しようか』と言われた」などと、かなり深刻な問題を扱うのもカウンセリングです。

あるいは、ある旦那さんが「最近は景気が悪いから給料も3年連続で減っていて、ボーナスも半分に減っている。でも子どもはどんどん大きくなって教育費が必要。奥さんからは『生活の切り詰めも限界』と言われている。もっといい条件のところに転職したいけれども、転職する勇気もない。私はどうしたらいいのでしょうか」という形で相談にいらっしゃることもあります。

こういった問題を抱えた状態で簿記1級の勉強をしようと思っても無理です。
このようなプライベートな話を扱うのがカウンセリングですので、カウンセラー自身もストレスに強くなければまずいのです。

一方、コーチングはカウンセリングほど重たくはないけれど、こちらはこちらで深刻なのです。

たとえば「部下が言うことを聞いてくれない」や「遅刻が多い」というところから始まって、「最近、上司が自分に期待をしてくれていないのではないか」や「待遇がどう」や「プロジェクトでの参加者のモチベーションがバラバラ」など、そういった問題はコーチングの領域です。

このように、仕事や勉強など生産性の高いものやパブリックなものはコーチングで、プライベートなものはカウンセリングですが、最後は自分の力で問題解決ができるように併走するという点では、コーチングもカウンセリングも同じです。

そして、今の説明でもわかるように、緊急性が高くて短期的に結果がほしいのがカウンセリングです。

我慢できる段階ではカウンセリングに来ずに、「このままだと私は心が壊れてしまいそうです」というような状態になってから来ることが多いのです。
限界がきたときにお金を払ってカウンセリングを受けに来るわけです。

それに対して、コーチングというのは長期的で緊急性が低いです。
このように、公的であって長期的な観点で行うのがコーチングで、緊急性が高く短期的でプライベートな問題を扱うのがカウンセリングです。

このように違いを意識してもらうとわかりやすいです。
間接的ではありますが、簿記1級の勉強をするときにも、カウンセリングの部分で影響を及ぼします。

柴山式の場合は、あまり深くは踏み込みませんが、ある程度受講生の悩みをメールで聞きながら、それに対して前向きに回答しています。
このようなカウンセリング機能も、メール相談という形で行っています。

柴山式は心のケアを非常に重視した指導をしているという部分もご参考にしていただければと思います。

専門学校などの教育機関も、こういったカウンセリングやコーチング機能というのを研究していって、全体としての教育水準を上げていければいいと思っています。

今回の話が少しでもご参考になれば幸いです。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら