モチベーションは成功率50%でMAXに?【前を向いて歩こう158】

前を向いて歩こう、今回は「モチベーションは成功率50パーセントでMAX」というテーマでお話をしたいと思います。

今回はカウンセリングの理論を学習すると出てくる話で、私は自分自身のコンサルティングのスキルアップのために、心理学の課程も自分なりに研究して、それを実際に仕事でも応用しています。

私の場合は非常に応用範囲が広くて、簿記検定などの会計教育においても、受講生の方の心理を意識して、コーチング理論とカウンセリング理論を組み合わせて指導しています。

現在はコーチングのほうを前面に出していますが、時にはカウンセリング的なサービスも期待されている方もいらっしゃいますので、その時によって使い分けています。

基本的には8割くらいの比率でコーチングを前面に出していますが、そうはいっても、なかなか前向きになれない方もいらっしゃいます。

その場合は、その方のプライベートな部分に一歩踏み込んだ状態で悩みを解決することも必要になります。

コーチングというのは、やる気がある状態からさらにそれを高める、組織の効率性を上げるというパブリックな部分なのですが、よりパーソナルな部分にも心理的なところで目を向ける、カウンセリング的なところもやっています。

コンサルティングの期待としては大きいのです。
私の場合、会計分析だけでもご飯は食べていけるのですが、「その会計分析の結果を実行する人の気持ちを考える」というところまでが、私の考えている会計サービスの領域です。

したがって、「その人が何を考えて仕事をしているのか」というところも重視しています。
そのなかで、価値観であるとか、その人がどういうときにやる気になって、どういう時にやる気がなくなるのか、そういったこともよく観察しなければいけません。

そのなかでカウンセリング理論が出てくるのですが、そこで、私が現在いろいろやりながら仕事に活かしているカウンセリング理論をご紹介いたします。

今回のテーマである「目標達成のモチベーションは成功率50パーセントでMAX」というのは、コーチングをするときの目標設定でも使っています。

コーチングをするということは、財務分析の結果、財務改善のマネジメントにも繋がります。
結局、会計の仕事にも繋がってくるのです。

行動を起こすときにはその行動を阻む障害があるのですが、心理的な要因が大きいのです。
そのときに「やる気」「モチベーション」というのが大事で、目の前でお話をしているクライアントのモチベーションを高めるというのも私の仕事なのです。

おそらくみなさんの職場における対話にも使えると思いますが、目標設定についてお話をしたいと思います。

「目標達成のモチベーションには、成功確率50パーセントが一番いい」ということが実験結果で出ています。

心理学者のジョン・アトキンソンという方が提唱した「達成動機づけモデル」というものがあるのですが、心理学の基本的な理論でいくと、人間のモチベーションには大きく「親和動機」「成功回避動機」「達成動機」の3つがあると考えられています。

物事を達成したいという「達成動機」、あるいは成功が怖いという「成功回避動機」があります。

これは社会文化的な背景もあって、たとえば男性中心社会において、女性というのは成功すると妬まれることがありますが、ある社会においては女性に成功回避動機があって、「成功して目立つと逆に怖い」と思う場合もあるのです。

これはコーチングだけではなくて、一歩踏み込んでカウンセリングをするときにもとても大事で、「その人の内面には成功回避動機があるのではないか」と思ったら、それを踏まえたお話が必要になります。

「親和動機」というのは一番基本的なところのひとつで、「マズローの欲求5段階説」というものがありますが、この第3段階目で「親和欲求」あるいは「社会的欲求」とマズローは言っています。

要するにみんなの仲間に加わりたい、みんなから無視されたくないということです。
こういった部分のどの動機が無意識のうちに強くなっているのかということを見極めてあげるのもカウンセリングやコーチングをするときのポイントです。

今回はそのなかから「達成動機」についてお話をしたいと思います。
これは、ご自身の目標設定や第三者の目標を達成させるための参考にしてください。

これはジョン・アトキンソン先生の「達成動機づけモデル」を基に私が作ったグラフですが、この先生はモチベーションについて「失敗を避けたい」というネガティブな気持ちと「成功に近づきたい」というポジティブな気持ちの割合に注目しました。

実験の結果どうなったのかというと、成功確率が50パーセントの場合が一番やる気が高まるということでした。

五分五分のものというのは、人間が挑戦したくなるのです。
成功に近づきたい欲求が圧倒的に高まるのはここなのです。

逆に、あまりにも難しい問題、成功率が5パーセントや10パーセントと低い場合は、自信を失うことが怖くなり「失敗を避けたい」という気持ちが強くなって、モチベーションが上がらないのです。

義務感、コーチングでいうところの「have to」になってしまうのです。
ベストなのは「want to」です。

この「心からやりたい」という動機に近いのは、50パーセントの確率なのです。
だから、常に五分五分の目標を設定するようにプランを作ることがポイントです。

日商簿記検定1級でいうと、合格率が10パーセントとかなり低いので、最終ゴールからまともに見てしまうと「失敗を避けたい」という気持ちが大きくなってしまうので「have to」になってしまいます。

そうするとモチベーションが上がらなくなります。
このように、成功率が低い場合には「スモールゴール」を設定しましょう。

これは実務的な発想で、中間目標を設定することによって、ゴールは成功率10パーセントかもしれないけれど、その一歩手前は15パーセント、二歩手前は20パーセント……というように、どんどん手前のほうに中間ゴールを下ろしていけば確実性は上がっていきます。

難関資格を目指そうと思ったら、まずは五分五分の確率でできる目標を設定して、それを繰り返していけばいいのです。

たとえば、柴山式の簿記1級講座ならば、「全40数時間の授業を一通り完走する」という目標を立てます。

授業を完走したら、次に「例題を一通りできるようにしよう」というような目標を立てます。

五分五分のスモールゴールを積み重ねたその先に「10パーセント」があればいいのです。
常に目先の目標は50パーセントで調整します。

ここで「10パーセント」や「5パーセント」のようなとてつもなく難しい目標を設定してしまうと、やる気が起きなくなります。

心理学の原則からすると、かなり無理をしているということです。
逆に、50パーセントを超えて、成功率が80パーセントや90パーセントになってしまうと、「挑戦」とはいえず、できて当然なので、惰性になってしまいます。

そのため、一番いいのは五分五分なのです。
常に、自分の設定している目標は五分五分、せいぜい40パーセントから60パーセントの間で設定しているかを考えて、プランを立ててみてください。

柴山式の簿記1級講座はこのようなことを意識しているので、スモールゴールの連続なのです。

「スモールゴール」という言葉は「中間目標」と言って、コーチングの世界の言葉です。
「カウンセリング」「コーチング」「会計理論」といったものを組み合わせて、最後の目標達成まで後押ししたいというのが柴山会計グループの考え方です。

私は研究者ではありませんが、実務家として心理学の勉強をしています。
これはマーケティングにも役に立ちます。

「お客さんは今、何に悩んでいるのだろうか」といったことも、すべて心理です。
今回は「五分五分の目標を設定するとモチベーションが高い状態でトライできる」というお話をしました。

ぜひ、あなたの日常生活にも活かしてみてください。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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