易は窮まれば変ず

前を向いて歩こう、今回は「窮まれば変ず」というテーマでお話をしたいと思います。
易経の教えのなかに「窮まれば変ず」という言葉があります。

「窮まる」というのは、「行くところまで行ってしまう」ということです。
行くところまで行くと、今度は転換します。

陰と陽の循環と言いますが、悪いことも窮まると良い方向へ行くということです。
冬も窮まると春になるし、夏になります。

このように、物事というのは、ある程度行くところまでいくと、転換して別の局面がやってくるのです。

これは、私が日々読んでいる「『易経』一日一言」という本にも書いてあることです。
ちょっと内容を紹介すると「易は窮まれば変ず。変ずれば通ず。通ずれば久し」と書いてあります。

これは何を言っているのかというと、たとえば、上手くいかない状態がずっと続いていても、やがては少しずつ状況が変化していき、良い方向へ行くということです。

それまではあまりジタバタせずに、どっしり構えて、やるべきことを毎日コツコツとやります。
そして、あまり投げやりにならないということです。

いつまでも悪い事態が続くわけではありません。
明けない夜はありません。
必ず夜明けはやってきます。

夜明け前が一番暗いといいますが、一番暗いと言われる夜明け前の状態を乗り越えたら、光が見えてきます。
これが「窮まれば変ず」です。

暗い状態が窮まれば、光が差し込んできて、やがて朝になります。
陽が高くなり、そして沈んでいくと、暗闇がやってきます。

このように、昼と夜は必ず入れ替わりますし、冬から夏、夏から冬へと季節が変化するように、必ず物事は循環して、良いこと・悪いこと、明るいこと・暗いことの間を行ったり来たりします。

螺旋階段のようにグルグル回りながら、少しずつ高いレベルへと上がっていくのです。
これは弁証法に近い発想でもありますが、自分にとって明るいもの・暗いもの、暑いもの・寒いもの、積極性・消極性、安全策・挑戦、など、いろいろな2つの価値観のなかで揺れ動きながら循環して、より高いステージにあなたも上がっていくのです。

だから、今は一時的に思いどおりにいかなくても気にしてはいけません。
ジタバタしないで、やるべき事をしっかりやってください。

ソワソワせず、ウロウロせず、オドオドせず、どっしりと構えて、やるべきことをコツコツとやるのです。

そうすると、季節が冬から夏へと変わっていくように、変化の兆しが見えてきます。
冬には冬にやるべきことがあります。

冬の時代には日が照っていませんし、大地は氷で覆われています。
その場合には、土地の中の栄養をじっくりと醸成させるのです。

熊も冬眠しますし、カエルも冬眠します。
冬はじっくり冬眠をして、英気を養います。
休養をとって、力を貯める時期です。

その時期に無計画に暴れ回っても、いいことはありません。
冬に種を撒いても芽は出ません。
春になるまではじっと待って、土を休ませます。

そして、春になったら種を撒いて、手を加えながら様子を見て、秋の実りを迎えます。
やるべき時にやるべきことをしっかりと行うことが大事な処世術なのです。

上手くいかないときには、じっくり腰を据えて、投げやりになったりパニックになったりせずに、じっくり醸成させ、機が熟すのを待ちます。

物事というのは、行き詰まったままで進むことはありません。
時を重ねていけば、いずれ何かしら変化のきっかけができて、良い方向へ行きますから、慌てないことです。

物事は行き詰まることはなく、窮まれば必ず変化し、変化したら必ず新しい発展があります。
それが幾久しく通じていって、グルグルと回っていくのです。

まさに「生々流転」です。
「通じる」というのは、「成長」を意味します。

成長することによって、あなたも、私も、これからよりよい人生を送っていくと願って、頑張りましょう。

悪いことがあったとしても、その状態で一生を過ごすということはまずありません。
必ず何かしらの変化の兆しがあって、あなたにも良い巡り合わせがやってきますので、慌てないことです。

悪いことがあっても、パニックになったり、投げやりになったりせずに、じっくりと力を蓄えて、やるべきことをコツコツやってください。

簿記の勉強、仕事、人間関係などでも同じです。
ずっと「夜」が続くわけではありません。

必ず夜は明けますから、お互いに明日を信じて頑張っていきましょう。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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