ADワークスが株主割当増資(日経12*10*2*15)

不動産関連事業を手掛けるADワークスは、10月1日、株主割当増資を実施しました。

既存の株主に出資比率に応じた新株予約権を与え、65%程度の増資が達成できた場合の資金調達額を3億円と予定しています。

仮に100%の増資があったとした場合、規模は最大4億7千万円強という計画のようです。

(ADワークスのIRニュース)
→ http://www.adw-net.co.jp/ir/index02.html

なお、新株予約権はすべて無償で既存の株主に割り当てられ、上場後、市場で売却できるライツ・オファリングという手法を使います。

同様の手法は日経新聞によると、日本において2010年のタカラレーベンに続く2件目だそうです。

なお、ここで増資のやり方に関する基礎知識です。

【株主割当増資】
株主割当増資とは、既存の株主に対して、持ち株数に応じて新株割り当ての権利を与え、有償増資に応じてもらう方法です。

基本的には、出資比率が増資後も変わらないという点で、既存の株主の経済的利益を害することはないと考えられています。
(そのままだと、1株あたりの利益・純資産は薄まりますが…)

既存の株主の経済的利益にダメージがないならば、ということで、この方法の場合、その時の時価よりも低い価格で株式を発行することが手続上、第3者割当などに比べて簡単にできます。

以前、日本経済が高度成長している時代には、この発行方法が主流でした。

放っておいてもマーケットがぐんぐん成長したので、安く増資を引き受け、勝手にマーケットの伸びで上がっていく株価でみんなウハウハ!みたいなストーリーが見てとれます。

【第3者割当増資】
第3者割当増資とは、既存の株主の出資比率なんて問答無用!!ってな感じで、ある特定の第3者に新株を発行するやり方です。

誰もその株式を買う人がいないとか、特定の関係を維持する事を背景にしているなどの事情がある時に取られます。

実は、現在の有償増資、このやり方があんがい多かったりします。

ただし、あまり安い値段で新株を発行されると、既存の株主の経済的利益が害されてしまうため、株主総会の決議など、それなりの厳しい手続を踏まなければなりません。

【公募増資】
公募増資とは、時価を基準に新株を発行し、資金を出せばだれでも新株を買えるという形態の増資です。

特にバブルのころなどは、株価がドンドン上がるとみんな思っていますので、その時の時価で新株を買っても、またそのうちガンガン値上がりするだろうという期待していますので、企業側ではこの公募増資でもガッツリ資金調達で来ていたのですね。

ああ…、今では懐かしい香りのするストーリーです…。

会計的には、次のような仕訳が基本です。

<仕訳例>
(借方) 現金預金 ×××      (貸方) 資本金 ×××

なお、会社法の規定で、発行価額の2分の1までは資本金にしないことができます。

資本金にしない場合は、資本準備金という項目になります。

<仕訳例>
(借方) 現金預金 ×××      (貸方) 資本金 ×××
                     資本準備金 ×××

以上、増資に関する代表的な3つの方法のご紹介でした。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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