増収率の正しい見方と決算ランキング(日経12*8*21*13)

8月21日の日経新聞13面(投資・財務欄)では、4-6月の決算ランキングということで、増収率のベスト20が掲載されていました。

増収率は、企業の成長性を判断するうえで非常に重要な指標です。

計算の仕方は、(当期の売上-前期の売上)/前期の売上
です。

特に上場企業である以上、売上の継続的なアップは、投資家が根本的に期待するところなので、経営者としても増収率の動向には神経を使います。

この時のランキングでは、大平洋金属で、なんと前年同期比の7.3倍、つまり730%でした。

2位がタカラレーベの4.0倍(400%)です。

震災からのV字回復を果たした企業が売上高を増やした、という見方もされています。

ところでこの増収率を見るにあたって、注意するポイントが二つほどあります。

ポイント1.前期が「正常な売上」であるとは限らない。

これは、特にリーマンショックや震災など、特殊事情で一時に大幅な売上下落を経験した直後に起こりやすい減少です。

たとえば、2011年12月期の売り上げが震災の影響で前年比20%のダウンだったとしましょう。

つまり、たとえば前年100億円だったのが80億円に売上高が下がったような場合です。

そして、2012年12月期には、復興需要が寄与して96億円に増やしたとしましょう。

このとき、(96-80)/80=20%の増益となります。

でも、よく考えてみると、2年前は100億円あったのですから、当時と比べれば、まだ売上が成長しているとは言えないですね。

つまり、比較対象となる前年の売上高が著しく落ち込んでいたかどうかも合わせてチェックしておかないと、単純に前期比で10%以上上がったからと言って、無条件に喜んでいい、というわけではないのですね。

ポイント2.売上は、上下の激しさより安定して少しずつアップ

ある年は売上が30%上がったけど、次の年は40%さがってしまった!などのように、浮き沈みが激しいのも、あまり感心できません。

業績が安定しないと、将来のキャッシュ・フローが読みにくくなります。

毎年10%以上、上がったり下がったりを繰り返す銘柄よりは、たとえ毎年5%ずつでもいいから、10年にわたって、ほぼ安定した伸びを示している、という会社の方が、企業価値を評価しやすいです。

急激な浮き沈みより、安定した堅実成長こそ、株式投資でしっかりと資産を増やす銘柄判断のポイントになるのではないでしょうか。

以上、成長性に係わる分析上の注意点でした。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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