銀行の出資上限が5%から20%程度に緩和か?(日経12*8*2*1)

金融庁は、銀行からの事業会社への出資に関する規制を緩和する方針だとのことです。2014年度までの実施を目指すそうですね。

現状では、銀行が他の会社に対して出資できる割合が5%までという銀行法の制約があります。

【参考資料】
(銀行等による議決権の取得等の制限)
第十六条の三 銀行又はその子会社は、国内の会社(前条第一項第一号から第六号まで、第十一号及び第十三号に掲げる会社を除く。以下この条において同じ。)の議決権については、合算して、その基準議決権数(当該国内の会社の総株主等の議決権に百分の五を乗じて得た議決権の数をいう。以下この条において同じ。)を超える議決権を取得し、又は保有してはならない。

かんたんにいえば、金融機関による一般事業会社の支配が強化され、経済市場の活動がゆがめられることを防止しようという趣旨です。

5%以下の株式取得ならば、通常、その会社に対して議決権の行使を通じた支配などをすることはできません。

会計処理上は、5%程度の株式取得ならば、「売買目的有価証券」ないし「その他有価証券」という所有目的でくくられることでしょう。

売買目的有価証券
時価の変動により利益を得る目的で取得する有価証券のこと。短期売買が通常は予定される。決算日時点で時価に評価替えいなければならない。

その他有価証券
売買目的、満期保有目的(債券)、支配目的の子会社株式、重要な影響を与える目的の関連会社株式、のいずれにも該当しない有価証券。決算日時点で一瞬時価評価するが、翌日にはすぐに原価に戻すという、一風変わった処理を強要される有価証券。

参考までに、満期保有目的の債券や子会社株式・関連会社株式は原則として取得原価ベース(買った時の支出額を基準)として評価するので、時価に評価替えはしません。

バランスシート
(資産)           (負債・純資産)
売買目的有価証券 (時価)
その他有価証券 (時価)

ちなみに、持ち株比率が20%以上になると、通常は、その会社に重要な影響を与えることになる、と考えられるので、「関連会社株式」という勘定科目で取得した株式を会計処理することになります。

こうなると、上の売買目的やその他有価証券のように時価評価はされません。

原則として、決算日時点の時価を採用せず、バランスシートには、以前として取得原価で表示することになります。

バランスシート
(資産)           (負債・純資産)
売買目的有価証券 (時価)
その他有価証券 (時価)
関連会社株式 (取得原価)

ただし、以上は親会社の個別決算での話なので、連結決算になると、この関連会社株式は、グループの一員ということで、その業績の一部を関連会社株式の評価に反映させるのです。
このような連結決算特有の関連会社株式評価方法を「持分法」といいます。

もしも、今般の出資規制緩和で、20%まで事業会社の株を持てることになると、銀行の連結決算上、出資先の会社の業績が一部、銀行自身の連結業績に影響をすることになり、これはこれで銀行側にとっては、不良債権とのダブルパンチでリスクを負う可能性が出てきますね。

したがって、現実問題としては、持分法にかからない20%未満のどこかで落とし所を決めてくるような気がします。

いずれにせよ、貸し付け以外の手段で、銀行が事業会社の資金調達に関わる枠が増えそうだということですね。

これが、中小企業の財務戦略にどのように影響するかはわかりませんが、近い将来、5%を超える事業会社への出資事例が上場企業などを対象にでてきたら、日経新聞の1面で取り上げられるのでしょうか。

ちょっと頭の片隅に入れておきたい記事です。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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