コスモ石油、有利子負債が自己資本の4.1倍

石油元売り4位のコスモ石油が事業再編を進めるにあたり、負債の負担が足かせになる可能性がある、というお話です。

8月5日の日経11面「企業総合」欄で、コスモ石油が精製事業などの分社化や他社の近隣製油所との協業を進めている、と報じられていました。

出光興産と昭和シェル石油が経営統合で基本合意したことを受け、コスモ石油にも危機感が高まってきたのかもしれません。

ここで一つ問題となるのが、コスモ石油の財務体質が決して強固とは言えない状態にあることだそうです。

そこで、コスモ石油の直近の決算書を見てみました。

※2015年6月期の第1四半期財務諸表より

・四半期業績
売上高595,382百万円
営業利益22,877
経常利益22,163
当期純利益13,671

・財務体質
総資産1,418,619百万円
自己資本183,860
自己資本比率・・・12.96%

http://www.cosmo-oil.co.jp/ir/lib/

(参考)出光興産(2015/6/30現在)

・四半期業績
売上高922,791百万円
営業利益18,027
経常利益16,024
当期純利益11,389

・財務体質
総資産2,660,747百万円
自己資本584,637
自己資本比率・・・21.97%

参考までに、出光興産の自己資本比率は21.97%ですから、コスモ石油(12.96%)の2倍近く自己資本があります。

やはり、トップを走る企業の22%とは2倍近いひらきがありますね。

ここで、出光興産の負債をさらにくわしくチェックしてみると、

短期借入金413,046+長期借入金499,994+社債65,000
+コマーシャル・ペーパー41,996=1,020,036百万円です。

これは、有利子負債と呼ばれるものです。

そこで、自己資本に対する有利子負債の比率を計算すると、

有利子負債1,020,036百万円÷自己資本584,637百万円=1.74倍です。

いっぽう、コスモ石油はどうかといいますと…

有利子負債=188,700+37,700+532,065=758,465百万円

有利子負債758,465百万円÷自己資本183,860百万円=4.1倍

つまり、自己資本の4倍以上の有利子負債が負担となっています。

こうなると、出光興産に比べて、コスモ石油の方が、資金繰り面での不安が大きいということになります。

有利子負債と自己資本の比率は、有利子負債比率と呼ばれることがあります。

定義のしかたによってはデットエクイティレシオと呼ばれることもあります。

この数値は、低いほど有利子負債が少ないことを意味しますから、財務的には健全といえます。

1を切ると、有利子負債よりも自己資本が大きくなるので、財務安全性が高いという一つの目安になりそうですね。

コスモ石油が4倍強、出光興産が1.7倍強と、有利子負債比率の面ではコスモ石油の財務体質の課題が浮き彫りになる格好です。

事業再編にはお金がかかります。

これからのコスモ石油の財務戦略がどうなるか、関心を持って見守っていきたいところです。

(日経15*8*5*11)

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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