簿記の一巡 【知識ゼロからの会計学入門015】

知識ゼロからの会計学入門、第15回「簿記の一巡」というテーマで、楽しく会計学の入門知識を学んでいきます。

簿記の一巡とは、一定期間における簿記の全体の取引の流れを言います。
「期首」というのは会計期間のスタートで、「期末」というのは会計期間の終わりで「決算日」とも言います。

決算というのは、所得税の対象となる個人事業主の場合は12月31日と決まっていて、翌年2月中旬から3月中旬までの1か月間で確定申告を行います。

しかし、法人の場合は決算月を任意に決めることができます。
例えば4月1日が期首で3月31日を期末とするならば、1年間のうちに仕訳帳と総勘定元帳に期中取引の仕訳・転記をします。

本当は第2期以降であれば、期首の繰越試算表といって、1年のはじめの財産の一覧表をつくるのですが、これは別の機会にお話しします。

期末まで1年間仕訳・転記をして、そこから試算表というものをつくります。
試算表については「合計残高試算表」「合計試算表」「残高試算表」の3種類あることを以前勉強しました。

「T/B」というのは Trial Balance の略で、試算表を意味しています。
1年間の取引をただダラダラ書くだけではなく、試算表という1枚の表に集計します。
決算手続の第1段階は決算整理前の試算表をつくることです。

決算手続とは1年間の帳簿記入の総まとめです。
そして、最後に財務諸表をまとめて、税務署に提出したり株主総会で報告します。

3月31日が決算日ならば、5月31日までに決算を全て終わらせて、税務署などに確定申告書を出して納税をすることになります。

ただし、上場企業の大きな会社は公認会計士などの監査というものを受けなければならず、その調査が終わった証明書をもらわなければいけないので、3か月まで延ばすことができます。

それでは、この2か月の間に何をするのかということですが、前半と後半に分かれます。
前半は決算整理前試算表をつくるところからはじまります。

決算整理が大事なのですが、決算整理とは何かというと、単純合算すると間違いを含んでいたりするので、それを訂正・修正するための期間が必要になります。
決算整理前の合計数値を修正しますが、修正・訂正の手続きを決算整理仕訳といいます。

決算の第2ステップは、決算整理が終わって、修正後の数値を使って帳簿の後始末をすることです。
これを決算振替といいます。
そして来年に繰り越します。

決算振替と同時にやるのが財務諸表の作成ですので、決算の第2ステップは決算振替という後始末と財務諸表の清書を行います。

ステップ1では決算整理という訂正・修正の処理を行い、ステップ2では決算整理を受けて確定した数字をまとめて来年に繰越して、財務諸表を作成します。

ステップ1の決算整理からステップ2の財務諸表の作成までを1つの表で体系的に行うものとして「精算表」という資料をつくることもあります。

精算表は帳簿外ですが、決算の全体像を管理するための資料として大事です。
これは簿記検定3級の第五問で出ます。

ポイントは、期首からスタートして、1年間の取引を仕訳帳に仕訳をし、総勘定元帳に転記をします。
そして、決算日が来たら決算整理前の試算表をつくります。

単純合算をしますが、それは間違いを含んでいますので、それを修正・訂正するのが、決算整理仕訳です。

決算整理をして売上や現金などの勘定科目の数字を確定させたら、決算振替という来年への繰越処理を行います。

それと同時に、財務諸表を作成して、外部公表用に数字を清書します。
この流れを知っておいていただければいいかなと思います。

今回は期中取引の仕訳・転記の計算例を確認して、決算整理前試算表をつくるところまでを見ていきます。

では、取引例を見てみましょう。
1. 1月1日(期首) 現金1,000万円の資本金で設立した。
2. 1月1日 銀行から現金2,000万円を借り入れた。
3. 1月1日 自動車を取得し、現金150万円を支払った。
4. 4月1日 商品2,400万円を仕入、現金を支払った。
5. 9月1日 上記の商品を現金4,000万円で売り上げた。
6. 12月31日(期末) 決算手続を行った。

(決算手続: ①決算整理前残高試算表の作成 ②決算整理仕訳 ③決算整理後残高試算表の作成 ④損益振替仕訳 ⑤資本振替仕訳 ⑥帳簿の締切財務諸表の作成 ⑦精算表の作成)

1の仕訳は(借方)現金1,000万 (貸方)資本金1,000万となります。
2の仕訳は(借方)現金2,000万 (貸方)借入金2,000万となります。

3の仕訳ですが、自動車は「車両運搬具」という勘定科目を使って(借方)車両運搬具150万 (貸方)現金150万となります。

4の仕訳は(借方)仕入2,400万 (貸方)現金2,400万となります。
5の仕訳は(借方)現金4,000万 (貸方)売上4,000万となります。

これを受けて、12月31日に決算手続を行います。
決算整理前残高試算表でも間に合いますが、今回は合計残高試算表を作ります。

「②決算整理仕訳」から先は次回以降に学習しますが、この決算手続を学べば、あなたも簿記や会計の知識が専門家に近づいてきます。

それでは、さきほどの仕訳をパソコンに入力して、総勘定元帳を出してみます。
現金勘定は借方が①1,000万 ②2,000万 ⑤4,000万で合計7,000万、貸方が③150万 ④2,400万で合計2,550万となります。

車両運搬具は借方が③150万増えています。
借入金は貸方に②2,000万増えています。

資本金は貸方に①1,000万増えています。
売上は貸方に⑤4,000万発生しています。
仕入は借方に④2,400万発生しています。

決算整理前残高試算表を見てみると、現金が借方合計7,000、貸方合計2,550で差し引き借方残高4,450となります。

残高は借方・貸方のどちらか大きい数字のほうの隣に書くことは以前に学習しました。
車両運搬具は借方残高150、借入金は貸方残高2,000、資本金は貸方残高1,000、売上は貸方残高4,000、仕入は借方残高2,400となります。

トータルで借方の残高は7,000万、借方合計は9,550万、貸方合計が9,550万、貸方残高は7,000万となりました。

電卓をお持ちの方は、計算して貸方と借方の数字が一致していることを確認してみてください。
これを「貸借平均の原理」ということは既に学習しました。

ここまでが決算の第1ステップとなります。
次回は決算整理仕訳を行います。

以上で今回のお話を終わりにします。
ここまでお疲れさまでした。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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