海外からの音楽配信などにも消費課税?(日経12*6*29*1)

財務省が、海外からの輸入取引となる電子書籍・音楽・広告などのサービス消費に対して、国内企業からの消費と同じく消費税を課する方針を固めた、とのことです。

消費全関連法案が国会で可決すれば、2014年4月から、まずは消費税率が5%から8%に上がります。

早ければ、この時期が海外からの配信サービスに課税するタイミングになるかもしれないようですね。

商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に課税されるのが消費税です。

商品を販売し、消費税を受け取った事業者は、(税込方式)か(税抜方式)のどちらかの方法で会計処理されますが、より一般的と考えられる(税抜方式)をここではご紹介いたしますね。

(税抜方式)商品・サービスの対価と消費税を区別する。

1.仕入れをした時(仕入代金100円、消費税8円とする)
(単位:円)
(借方) 仕入 100              (貸方) 現金 108
(借方) 仮払消費税 8

2.商品を300円で販売した時(販売代金300円、消費税24円)
(単位:円)
(借方) 現金 324            (貸方) 売上 300
                     (貸方) 仮受消費税 24
            

…消費者は大変ですね。300円のものを買っただけで、追加で24円も払わされるんですから…

さて、確定申告の時期がきました。
上記2.で仮受けした消費税24円と上記1.で仮払いした消費税8円の差額、すなわち16円の納税義務が発生します。
(未払消費税という名称で計上します。)

3.納税義務が確定したら(決算時)
(単位:円)
(借方) 仮受消費税 24           (貸方) 仮払消費税 8
                     (貸方) 未払消費税 16

未払消費税は、決算日後の納税期限までに支払われます。

これが、国内企業による音楽の配信サービスならば、上記のような消費税が発生して、事業者には納税の事務、消費者には納税負担が重くのしかかってきます。

もっというなら、零細事業者ほど、マーケットに対して価格支配力などあるわけないですから、消費税増税分の価格転嫁すらあやしいわけでして、売価アップにつながらなければ、増税分の納税負担まで事業者が負う、という不条理が起きても何ら不思議ではありません。

これが、「中小事業者の経営者さん、消費税アップはあなたの首をさらに締めあげますよ」と以前から申し上げている大きな原因です。

けっきょく、価格転嫁できるのは大企業などの「強者」であって、ここでも格差が拡大する構図がみてとれるわけです。

この点、海外からサービス配信されるならば、消費税の負担がかからない、という制度の不備があるわけですから、消費税率があがるほど、これにともなう海外への事業流出が加速することになります。

あるいは租税回避的なズル行為も、増えてくるかもしれませんね。

そういった不都合をなんとかするために、海外からの配信などにも消費課税をしようとする動きです。

気持ちは分からなくないですが、実務的な壁は大きいように思います。

ちなみに、海外企業からダウンロードするということは、経済的には「輸入取引」ですから、国内の富は海外に流出しますよ。

国内の企業に配信収入が入らず、海外企業に配信収入が流れ出す、という富の海外逃避にもなるわけです。

とうとう法人税率を下げる話も、どっかへいってしまいましたし…。

理屈じゃなく、表面税率が他国より高いという名目値が印象として悪い、ということをなんとかしないとね。

インターネットは、目に見えない取引ですから、補足するのがリアルの商取引より難しいので、今後、財務省の方では規制面で苦労するだろうな、という気がします。

でも、たいへんだけど、制度がそうなる以上、海外企業との不公平はたしかに何とかしないといけませんね。

消費増税の影響は、ほかにもいろいろ出ると思います。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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