日経平均のプットオプション(売り権利)が活況(日経12*5*8*17)

5月初旬は、3月決算の会社の決算発表真っ盛りという感じです。

2012年5月8日の紙面には、投資・財務面も見開きでたくさんの業績情報が出ていました。

しかし、今日はマーケット総合面の記事をご紹介しましょう。

いわゆる「デリバティブ」にまつわる金融商品のお話です。

7日の株式市場で日経平均オプションのプット(売る権利)の売買高が急増した、とのことです。

オプション取引は、デリバティブの一種です。

【会計用語1】デリバティブ
金融派生商品と訳されます。
株・債券・金利・通貨などの、もととなる金融商品について、将来の売買価格を今決めておくとか、将来の現金収支を固定化するなどして、
「現物を今売り買いする」という基本的な取引を発展させた特殊な取引形態です。

どのデリバティブにも共通する特徴は、次の2点です。

特徴1
「将来の ~ をいま決めておく」という、ギャンブルの要素を大なり小なり含んでいる。

特徴2
少ない資金(保証金など)で、大きな売買(想定元本)を行える。つまり、価格変動による利益・損失が現物取引よりも大きくぶれる。

特徴2.の特徴を表現した言葉として、「レバレッジ効果」があります。少ない力で大きな効果を得る、という意味ですね。

【会計用語2】オプション取引
株・債券・為替などについて、将来の一定期日または一定期間における売買価格を今のうちに決めておき、その価格で売る権利(プットオプション)または買う権利(コールオプション)を売買する取引です。

(例1)今、6月に9,000円で日経平均を売る権利(プット)を1枚購入し、オプション料を支払った。なお、オプション価格は160円であった。現時点での日経平均は9,100円。

その時の参加料(オプション料)として、
160円×1000=160,000円を支払った、と考えるのですね。

なお、日経平均オプションは、先物と同じく1枚あたり1000倍で取引しますので、9,000円×1,000(1枚)=9,000,000円相当の日経平均指数を売る権利を購入した、と解釈できます。

(現実には、「日経平均」なる株式銘柄は存在しません。

あくまで日経平均というのは指数(一つの指標)です。

そこで、権利行使をしても現物の売りとか買いができないので、反対売買をして差額のみの資金のやり取りをします(差金決済という)。)

(例2)その後、日経平均が下落した(たとえば8,900円とか)ので、プットオプションの価格が上昇し、250円になった。これによって1枚当たりのオプション差益は(250-160)円×1000=90,000円になった。

この時点でプットオプションを転売し、90,000円の利益を得た。

…と、以上のように、プットオプション(売る権利)を持っている人は、原資産(もととなる金融商品)が値下がりすると儲かります。

値下がりを期待する商品というのも変な感じですが、いいかえると、プットオプションの商いが膨らむ、ということは相場の先安観が広がっているとの見方もできるわけですね。

会計処理としては、オプション料の支払い部分は「前渡金」という流動資産の勘定科目を使って資産計上します。

(オプション価格160円×1000を支払ってオプション取引に参加した)

(借)前渡金160,000円(貸)現金預金160,000円

決算日になったら、オプション料を時価評価します(時価基準)。

時価と支払額の差額は「オプション差損益」という勘定科目で損益計算書に計上されます。営業外損益です。

(期末に保有中のオプション価格が250円となり、時価評価した)

(借)前渡金90,000円(貸)オプション差損益90,000円

オプション取引は、金融資産のひとつです。

現行の会計基準では、金融資産の期末評価の原則が時価なので、保有するオプション取引を時価評価するのですね。

本日の日経記事では、株価下落リスクに備え、プットオプションが活発になっている、という話題が大きく取り上げられていたわけです。

普段の生活にはあまりかかわりがないデリバティブ取引ですが、その動向によっては、株式市場や一国の経済トレンドをも左右しかねない巨大な引き金の一つとなっているので、経済記事を読むときには、デリバティブ関連のニュースにも注意をしておきたいところですね。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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