為替手形(振出人)(3級・2級商業簿記)

「為替手形」という言葉は、実務ではあまり馴染みがないかもしれませんし、昔の簿記の検定試験ではたまに出題されたことがありましたが、最近では簿記の勉強にもあまり登場しなくなりました。
それでも、一応、用語として知っておきましょう。

為替手形は、振出人の立場で説明します。
仕入代金や買掛金の支払いを得意先などの第三者に依頼するために発行する手形のことです。
ただ、これは昔の話です。
今では、電子記録債権など便利な方法もありますので、為替手形という仕組みは実際にはあまり使われていないと思います。

関連する用語には、「売掛金」や「買掛金」、そして「引受人」といった言葉があります。
簡単に解説すると、発行人(振出人)の立場では、得意先に対する売掛金をマイナスし、支払代金の買掛金や仕入勘定を借方に仕訳します。
この仕訳は少し珍しいです。具体的には、貸方に「売掛金」、借方に「買掛金」とします。

たとえば、以前仕入れたときの掛代金(買掛金)を仕入先に支払う際に、一度得意先から売掛金を回収して、そのお金を使って買掛金を支払うという二度手間が面倒な場合があります。
そのようなときに為替手形を使えば、得意先に支払いを引き受けてもらったうえで、仕入れ先に支払うことができ、代金の回収と支払いを一度で済ませることができるため、効率的です。

具体的な取引例を挙げると、たとえばK株式会社に対する買掛金を支払うために、得意先であるB商事宛てに為替手形を振り出し、B商事に引き受けてもらいます。
そうすれば、B商事がK株式会社に直接支払ってくれるので、わざわざ得意先からお金を回収してから支払う手間が省けます。

こんなふうに、為替手形を使うと、いくつかの手続きを簡素化できることがわかりますので、参考にしてみてください。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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