当座預金(3級・2級 商業簿記)
今回は簿記ャブラリ第2章の3級・2級商業簿記における「当座預金」について解説します。
当座預金とは、小切手や手形などの決済手段を利用するための口座です。
この預金は、昭和の高度成長期に登場し、現在ではその利用機会は少なくなっています。
時代の流れにより、その役割は終わりつつある預金といえるでしょう。
では、当座預金について見ていきましょう。これは資産に分類されます。
3級・2級レベルでよく出題される内容であり、重要度は星3つと考えてもよいでしょう。
当座預金は、会社が営業活動のために保有する預金で、無利息の口座です。
主に小切手や約束手形の引き出しなど、多額の支払に使用される営業用の預金勘定となります。
ビジネスで使うため、銀行の信用調査が必要で、審査に通らないと誰でも持つことはできません。
普通預金よりも口座開設が難しい場合もあります。
現在では、普通預金を使うことが多いと考えられますが、かつては当座預金が一般的でした。
特に小規模な会社や工務店などでは、当座預金を持つことがよくありましたが、現在ではその使用は減少しています。
当座預金は貸借対照表では「資産」として計上され、売掛金を回収して当座預金に預けるなど、取引の中で使われることがあります。
関連語句としては、「当座預金」「当座借越」「当座預金出納帳」などがあります。
例えば、1000万円の支払いなど、多額の支出を行う際に、1万円札を1000枚持ち歩くのは非常に危険です。
そのため、現金を持ち歩く代わりに、銀行に1000万円以上預けておき、小切手という支払い手段を利用することで、盗難や紛失のリスクを軽減できます。このような理由から、当座預金が利用されていたのです。
昭和から平成初期にかけて、インターネットバンキングや電子決済が普及する前は、現金での決済が主流でした。
そのため、大きな金額を持ち歩く代わりに、当座預金口座を開設し、小切手で支払うという手法が一般的でした。
現在では、電子マネーが主流となり、小切手や手形を使った現物決済はほとんど行われていません。
しかし、簿記上では当座預金の仕組みや役割は基本的な事項として重要であり、しっかり理解しておくことが必要です。