公社債の利札(3級・2級 商業簿記)
今回は簿記ャブラリ第2章、商業簿記の3級・2級の内容に関して、「公社債の利札」についてお話しします。
このテーマは少しマニアックではありますが、現金の範囲として試験に出題される可能性もあるため、取り上げることにしました。
3級・2級の試験ではそれほど気にしなくても良いかもしれませんが、将来的に簿記一級や会計士などの資格試験を目指す場合には、一般的な簿記の知識として覚えておくと良いでしょう。
まず、公社債の利札の定義についてです。
公社債とは、国債や地方債、社債などの債券のことですが、その証書に付いている利息の引換券のことを「利札」と言います。
関連する語句としては、「現金勘定」や「受取利息」、「有価証券利息」などがあります。
以前は簿記の3級や2級の範囲でもよく出題されていたテーマですが、現在では少し時代の流れもあり、あまり頻繁に取り上げられることは少なくなっています。
実務でもあまりメジャーな話題ではなくなりましたが、昔はよく見かけたものでした。
私が実際に見たのは、30年以上前に上場企業の1兆円規模の会社の金庫です。
そこでは、数十億円から100億円近い資産が眠っているような大金庫がありました。このような大規模な企業では、当時、公社債の利札が使われていたこともあります。
現在では、こうした光景を見ることはほとんどないでしょう。
公社債には年利何%という形で利息がつきます。
そして、利息の受け取り方法の一つとして、証書本体に「利札」という紙片がくっついています。
この利札には、利息を受け取るための開始期日が記載されています。
例えば、第1回の利払日が3月31日で、第2回の利払日が9月30日だとすると、3月31日になった時点で第1回の利札を証書から切り離し、それを金融機関に持ち込むことで現金を受け取ることができます。
したがって、利札が期日通りに切り離されると、それは現金の増加として処理されます。