当月(当期)製品製造原価、間接費(2級工業簿記)
まず、「当月製品製造原価」や「当期製品製造原価」という表現について見ていきましょう。
月次決算の場合は「当月製品製造原価」、年度決算の場合は「当期製品製造原価」という表現が使われます。
この製造原価は、損益計算書における売上原価の一部として表示されることになります。
製造原価報告書の最後には、当期または当月の製造原価が示され、この数字が最終的に損益計算書の売上原価に引き継がれる形になります。
関連語句としては、「製造原価報告書」、「仕掛品」、「損益計算書」、「売上原価」などが挙げられます。
製造原価報告書では、材料費、労務費、経費を使って製造原価を計算し、その結果が売上原価として損益計算書に反映されます。
次に、製造原価報告書の項目の表示方法についてですが、以前は「材料費」「労務費」「経費」といった形で表示されていましたが、今回の試験対策では「直接材料費」「直接労務費」「製造間接費」という表現を使うこともあります。
例えば、材料費が400円、労務費が250円、経費が200円の場合、合計は850円です。
このうち、材料費は全て「直接材料費」として計上され、労務費のうち150円が「直接労務費」、残りの100円が「製造間接費」として計上されます。
総製造費用としては850円となり、期首の仕掛品棚卸高120円を加え、期末の未完成品(期末仕掛品棚卸高)140円を引くと、最終的な製造原価は830円となります。
なお、表示方法には「直接材料費」「直接労務費」「製造間接費」といった分類方法と、「材料費」「労務費」「経費」といった分類方法があり、テキストによって若干異なることがありますが、どちらの方法も理解しておきましょう。
次に「間接費」について触れます。工業簿記を学び始めた際に、間接費はしばしば混乱を招く項目の一つです。
しかし、間接費は工業簿記の中でも非常に重要な概念であり、2級の試験では重要度が高いテーマです。
間接費とは、製品に直接関連づけることができない費用の合計を指します。
具体的には、間接材料費、間接労務費、間接経費の3つの費用が合算されて「製造間接費」となります。
これらの費用は、直接的に製品ごとに配分することができないため、「配賦」を行って計算します。
間接材料費は、製品に直接使われない材料費(例えば、のこぎりや軍手など)を指し、間接労務費は製品を作るための直接的な作業には関与しない労務費を指します。
そして、間接経費は製品の製造に必要なが直接的に割り当てられない費用全般です。
このように、間接費には直接製品に関連する「直接費」と、製品に直接関与しない「間接費」の違いがあります。
間接費は製品を作るために必要不可欠ですが、個々の製品に割り当てることができないため、全体の製造コストに占める割合として計算されます。
このような理解を深めることで、工業簿記における計算がよりスムーズに行えるようになりますので、ぜひ覚えておいてください。