現金出納帳、定額資金前渡法(3級・2級商業簿記)
今回は「現金出納帳」と「定額資金前渡法」についてお話しします。
まず、現金出納帳の重要性についてですが、これは現金の受け払いを記録するための帳簿です。
実務においては非常に重要で、特に現金の収入や支出、残高を取引の都度記録するための補助記入帳として使われます。
重要度は、試験レベルでは星1つとされていますが、実務では星3つと言えるでしょう。現金出納帳はほとんどの企業で必ず書かれるものです。
関連する用語としては、現金、小口現金出納帳、補助記入帳、特殊仕訳帳があります。
特殊仕訳帳は現在は2級の範囲ではありませんが、かつては含まれていました。
次に、現金出納帳は総勘定元帳の「現金」勘定の増減を詳細に記録する管理台帳とも考えられます。
本社の経理担当者が扱う総勘定元帳は、各勘定科目の全体的な増減を記録するものです。
例えば、複数の事業所がある場合、東京事業所や埼玉事業所、横浜事業所の現金をそれぞれ合計し、その増減を記録します。
このように、各事業所ごとの現金を管理することができます。
現金出納帳は、各事業所の細かい現金の動きを確認するための「お小遣い帳」のようなものです。
これは勘定元帳を補助する役割を果たします。このような理由から、現金出納帳は資金管理やリスクマネジメントの観点からも非常に重要です。
内部で不正が行われないように、きちんとした管理が必要です。
次に、「定額資金前渡法」についてです。
これは、3級の試験で見かけることがある用語ですが、実務ではあまり使われていないかもしれません。
重要度は星1つとします。この方法は、特定の期間に使う金額を予定し、その金額を小口現金係に渡して、期間終了後に金額を報告させ、減少分を補充するという小口資金の管理法です。
一般的には1週間単位で行われることが多いです。
小口現金係は、少額の資金を管理し、「小口現金出納帳」に日々の経費支払いを記録します。
例えば、1週間のスタート金額を5万円とし、交通費や消耗品費にそれぞれ1万2000円、3万5000円を使ったとします。
1週間で4万7000円使った場合、残りは3000円になります。このように、定額で始めることで、管理がしやすくなります。
大きな企業ではあまり見られないかもしれませんが、個人事業などではこの方法が役立つこともあります。
実務上でも、現金の取り扱いには注意が必要ですので、現金出納帳や定額資金前渡法についてしっかり理解しておくことが大切です。