時価のある固定資産の買い替え(サクッと学ぼう日商簿記1級の超入門 第5回)

固定資産の買い替えの基本ステップ

まずは2級の復習になります。
固定資産の買い換え、時価がないケースです。
買い替えは2つのステップに分けて取引を見直すことによって、一つのストーリーを作ることによって、正解に至りやすいということを学んだと思います。

時価がない場合の買い替え方法

ステップ1、旧固定資産を売却します。
この時は売却損または売却益が出ます。仕訳は例えば、借方減価償却累計額800、貸方車両運搬具1000とするならば、貸方に200だけ金額が多くなっています。

これは200を帳簿価額、あるいは簿価、または未償却残高と言います。200で売れば売却益も損も出ませんが、200よりも250多い450で下取りに出しましたということで、一旦450で売ったとしましょう。

売却益と未収金の取り扱い

未収金があります。貸方固定資産売却益250。未収金を直接新しい車の購入に充てます。そうすると例えば下取り価格を頭金として、1200万円の車を買いました。

450万円の下取り価格を頭金として差し引き750の残りの代金の支払いは後でしましょうと、未払金750です。

これを合わせてどう仕訳をするかというと、借方減価償却累計額800、貸方車両運搬具が1000、貸方固定資産売却益250ということで、450が隠れています。

450を使って貸方未払金750と450足して借方車両運搬具1200です。
合わせて借方減価償却累計額800、車両運搬具、新しいのが1200。借方合計2000円。
貸方の古い車両運搬具1000と固定資産売却益250、未払金750で、貸方合計2000、借方合計2000で貸借平均の原理、借方貸方が一致します。平均です。

これを問題文で表現すると下のようになります。
例えば期首に買い替えを行い、1000の車両、減価償却累計額800で帳簿価額200のものを下取り価格450で下取りに出しました。
暗黙の了解で、時価と下取り価格は同じ450です。売却益250になりました。
この450と750を足して1200です。逆に言うと1200の車両運搬具から時価450を引いたものが、未払金なのです。
たまたま下取り価格450と時価が同じなので未払金は分かりやすいです。これは2級です。
残額は1200-450で750です。逆に言うと750+450が1200と言うこともできます。

時価がある場合の買い替え方法

今度は時価ありです。さっきは450を時価と考えましょう。
今回は時価は別にあります。本当は300だけど勉強させていただいて、あたかも450があるより150より少し高く見積もります。
ということは150だけ残金を得します。もしこれが300だとどうでしょう。

固定資産売却益100です。300の未収金を充てるなら、1200-300なら、本来900が未払金のはずです。900の未払金を750におまけしますということです。

下取りを高く見るということは、未払金を安くしますということです。本当は1200-300で900にしないといけません。車両運搬具1200で未払金900なら分かります。

売却額250から100まで減っています。売却益150減っているから当然未払金も750に150を足して900にしないといけません。
その900ではなくて750のままお勉強しますと。あたかも450で買ったことにしましょう。
150上増しします。これは取引上OKです。150は値引きと考えます。本当は900にすれば未払金は、車両運搬具は450とみなしますから。

未払金は安くするのです。750でいいですよと、そうすると結局借方車両運搬具は、1200引く、時価よりも高く見積もっている150を引いて1050です。未払金が固まったらこの時価と下取りの差額が値引きになります。こんな風に考えていただければいいかなと思います。

価格差と未払金の関係

ということで買い替えの取引の考え方、時価がある場合ということで、旧固定資産を売却するということになります。
売却損、売却益が出る。減価償却累計額は800、借方を一旦未収金300としましょう。
固定資産売却益100。300を使いますので、残債750と決めています。

1200の定価から下取り450を減らしますから。300と750を足すと1050です。
定価1200から値引き150を引いて、1050とみなしましょうというのは、今回のイメージだと思ってください。少しややこしいけどゆっくり見てください。

まとめと復習ポイント

本日の授業の復習になります。
1番目まずは時価がない、2級で学んだ買い替えのパターンです。
まずは借方減価償却累計額800、貸方車両運搬具1000、固定資産売却益250、未払金750、借方1200という2ステップです。

未収金を一旦貸方に書いて、それを取り除いて仕訳すると答えになります。
期首に買い換えを行い車両1000、減価償却累計額800を下取り価格450で下取りに出した。
それを頭金に定価1200の車両を購入しました。残額750は翌月末払いとしました。

次に時価がある場合は、1200の車両を購入したけど、残額を750としたので値引きするわけです。下取価格と時価の差は値引きです。

つまり1200から1050になりました。その理由は何かと言うと、300で売ったのだから売却益は250ではなくて100です。150の差です。未払金が本当は900になるところが750なので値引きということで、車両運搬具は1050で買いましたと考えていただければと思います。これは1級レベルということで、ご確認いただければと思います。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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