貸借対照表における純資産と利益剰余金のチェックポイント

今回はビジネスや簿記の学習をされている方にも参考になると思われる決算書の読み方、財務分析に関するちょっとしたコツをお話しします。

これは私がコンサルティングで推奨している見方で、信用調査や自分の会社の財務の安全性を見るときに非常に役に立つ視点で、巷の実務書にはあまり出ていない柴山式のノウハウです。

貸借対照表で意外とみなさんが見ない所に利益剰余金という項目があります。
簡単におさらいをしますが、貸借対照表というのは左側の資産と右側の負債・純資産を対称に表示して、左側の合計と右側の合計を左右対称の形で表示するものです。

貸借の貸は貸方の意味で、右側という意味です。
貸借の借は借方の意味で、左側という意味です。

右と左の対照表ということです。
借方・貸方という言葉は無視して、左右対照表だと思えば簡単です。

右と左が同じ金額になって、左側は資産で会社の財産です。
これは将来キャッシュを生む経営資源のこといいます。

例えば現金があったり、売上代金の未回収分である売掛金があったり、商品(棚卸資産)があったり、建物などがあります。

現金100、売掛金200、商品300、建物400とありますが、財産の運用は現金の100で運用し、売掛金というツケの200で運用し、商品という在庫の現物300で運用し、建物という設備に400投下して運用しています。

左側の資産というのは運用状態です。
最初は現金1,000から始まります。

現金1,000が売掛金200に投資され、商品300に投資され、建物400に投資され……というふうに、現金から姿が変わったと思ってください。

資金の運用です。
そして、右側は資金をどう調達したかということ(調達ルート)を表しています。

上の買掛金や借入金というのは負債といって他人から借りたお金を表しています。
他人というのは、株主から見て他人という意味です。

会社というのは株主が所有者ですから、株主の分身です。
ということは、株主の立場でいくと他人が負債なのです。

他人から調達したお金を負債といって、他人資本とも言います。
資産のもととなるものを資本と言います。

株主の持分のことを自己資本とも言います
そして純資産ですが、純というのは純額(差し引き)という意味です。

資産から負債を引いたものが純資産で、これが600です。
買掛金(商品代金の未払)が140で、借入金(銀行から借りたお金)が260で、合計400です。

1,000の資産から400の負債を引いて、差し引き600が株主の取り分である純資産です。
左側の総資産から負債を引くと純資産になります。

問題は純資産の内訳ですが、資本金というのは株主からの出資で元本です。
そして、利益剰余金が会社設立後に蓄積した儲けです。
ここを見てほしいのです。

利益剰余金が元手の2倍以上あるということは、元手の2倍以上利益を積み上げたということで非常に良い会社です。

意外にマイナーな見方ですが私が強力だと思っているのは、その会社の信用を見るのに元本の2倍以上の利益の蓄積があるということが、これまでの会社の歴史でコツコツと利益を積み上げたという意味で、堅実で収益性のしっかりした会社だと言うことができます。

資本金と資本剰余金の2倍以上利益剰余金があったら、その会社は良い会社だと思ってください。
利益剰余金は資本金の2倍以上という財務安全性の柴山の法則を参考になさってください。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら