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工業簿記(総合原価計算)における度外視法と非度外視法の違いについて

今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」は、工業簿記・原価計算を初めて勉強する方が時々悩んでしまう論点についてお話をしてみたいと思います。

工程の途中で失敗をすると仕損と言います。
あるいは、工程の途中で材料が蒸発したり破損して無くなってしまうことを減損と言います。

この仕損や減損に関する費用を完成品と月末の仕掛品にどのように配分するかという問題があって、それについて今回はヒントをお伝えしたいと思います。

テーマとしては仕損・減損の両者負担です。
完成品と月末仕掛品の両方にどのように負担するかです。

これは完成品のみに負担することもあるのですが、両方に負担することもあります。
今回はあえて簿記1級の範囲である非度外視法というやり方から簡単な事例でお話をしてみます。

非度外視法のほうが全体像が分かるのでやりやすいのです。
では、見ていきましょう。

まずはボックスですが、左側には当月投入45,000(50kg)があります。
45,000円50kgを工程に投入しましたが、これは1kgあたり900円です。

そのうち、製造をしていて35kgが完成して、途中で5kgが蒸発して、10kgの作りかけがありました。

非度外視法の場合は、まず減損も含めていったんすべて原価を集計します。
完成品は900円×35kg=31,500円です。

蒸発した分(減損)は900円×5kg=4,500円です。
月末仕掛品は900円×10kg=9,000円です。

これがステップ1ですが、ステップ2では減損の4,500円を完成品と月末仕掛品の両方に負担させます。

完成品のみに負担させるケースもありますが、今回は両者に負担させます。
この場合、35kgの完成品と10kgの月末仕掛品の合計45kgに対するそれぞれの割合で配分します。

4,500円のうち45分の35(3,500円)を完成品に、45分の10(1,000円)を月末仕掛品に再配分します。

そしてステップ3では最終的な合計額を出します。
完成品は元々31,500円でしたが、減損の3,500円を足して35,000円となります。

月末仕掛品は元々9,000円でしたが、減損の1,000円を足して10,000円となります。
このように、最終的には完成品の35,000円と月末仕掛品の10,000に原価を配分します。

それぞれの1kgあたりの単位原価を出すのが工業簿記の最終的な目標なので、35,000円÷35kg=100円が完成品の単位原価です。

月末仕掛品は10,000円÷10kg=1,000円が単位原価となります。
それでは、同じ方法を度外視法という簿記2級で行う方法で見てみます。

こちらは減損を無視してダイレクトに完成品と月末を出します。
これが度外視と言われている所以で、計算はシンプルです。

つまり、5kgの減損の集計をしないのです。
当月投入の50kgという数字を気にせずに、完成品の35kgと月末仕掛品の10kgだけを考えて45kgという分母で計算します。

減損の5kgを計算式の分母から除外するのが度外視法です。
この場合、完成品は45,000円÷45kg×35kg=35,000円となります。

このように、いきなり減損を負担した計算結果を出すのです。
月末仕掛品は45,000円÷45kg×10kg=10,000となります。

度外視法はステップが1つだけなのでシンプルです。
これにはメリット・デメリットがあります。

今回はたまたま度外視法も非度外視法も計算結果が一致しましたが、一致しないケースもあるのでご注意ください。

このように、度外視法というのは当月投入の費用を集計するときに減損にいったん集計するかしないかで変わってくるということを知っておいていただけると良いと思います。
ぜひご参考になさってください。

私はいつもあなたの日商簿記検定1級・2級の合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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