トヨタ式A3問題解決プロセスとコーチングフローの比較

今回はみなさんがよくご存じのビジネスにおけるPDCA(Plan,Do,Check and Action)のサイクルと、トヨタの問題解決プロセス、そしてコーチングフローの共通点についてお話をしたいと思います。

トヨタ式A3問題解決プロセスというのは非常に役に立って、私も日常業務でも実践していますし、実はコンサルティングにも非常に使い勝手の良いツールです。

これはPDCAのうちのP(Plan)を重視しているものです。
トヨタ式A3問題解決プロセスというのは、A3横の紙が1枚あるとしたら、左上から「1.問題の背景とあるべき姿」「2.現状把握」「3.目標設定」があります。

そして、右上から「4.真因分析」「5.対策」「6.実行計画」「7.結果」となります。
現状把握をしたら目標を設定します。

目標を明確化したあとに、現状と理想のギャップについて掘り下げて原因を追及しますが、これが4番目の真因分析です。

そのあとに対策案を複数立てて、その中から選びます。
そして、6番目で実行計画を作ります。
この実行計画の前半までがPlanです。

ですから、7つのプロセスのうち8割方はPlanなのです。
Doというのは、実行計画に沿って実際に行動を起こすということなので、実行計画の後半部分がDoです。

最終的にそのDoを踏まえて、結果があります。
ここは検証までを含めた形になります。
Planがほとんどなので、Planを作るまでに相当煮詰めます。

要するに、慌てて付け焼き刃のPlanを適当に作って、それについて対策を練ってしまうと、間違ったPlanにもとづいて延々と対策を練ってしまうことになります。

間違ったPlanにもとづいて精度の高い行動をすると、精度の高い間違った結果が出てしまうのです。

間違った結果が甚大になってしまうので、かえって有害になってしまう可能性もありますので、最初のPlanに非常に作り込みを要します。

これがトヨタの問題解決プロセスで、コンサルティングや企業の改善案を出すときに役立ちます。

私はこれを含めて自分なりの解釈でやっているので多少のカスタマイズはありますが、基本はこれになります。

このプロセスは、私がコーチングの資格をとるときに勉強したコーチングフローとすごく合うのです。

コーチングフローはどういうふうにやるかというと、まず、アイスブレイクといって、話を聞いて、リラックスをして、相手と自分との間で何でも話せるように信頼関係を高めます。

これはとても大事で、これができない状態で先に行くと意味がありません。
次にセッションの目標があります。

「1時間話し合ったあと、どうなっていたいか」というセッション後の姿を明確化します。
つまり、セッション自体のテーマの明確化です。

そのテーマに対してあるべき姿が理想で、一方で現状がありますが、これについて話し合います。

そして、ギャップができたら、そのギャップについて分析します。
先ほどのトヨタのプロセスでいうところの真因分析です。

ここが重要で、ギャップをきちんと見極めないとまずいので、あるべき姿と現状についてしっかりと話し合います。

それを踏まえて、具体的な行動を出します。
ここまでがPlanです。

そして、それをまとめて、今後のフォローをどうするかを考えます。
つまり、行動をまとめてDoに繋げます。

そして、行動をしたあとのアフターフォローをどうするか(Check and Action)を考えるのがコーチングフローです。

これらはトヨタのプロセスと似ています。
実は、どちらもシステマティックに課題を解決するための思考チャートだということを知ってください。

会議をするときにも、このフローに従って行うと効率的になりますし、パズルを組み合わせるように会議が楽しくなります。

コーチングフローとトヨタA3問題解決プロセスを比較・検討して、あなたなりに使いやすくカスタマイズして仕事や勉強に取り込んでみてください。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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