初級・基礎・応用の各段階と、簿記学習の時間について
簿記の学習の入門の段階から、初級、基礎、応用と進んで、応用レベルになってくると合格水準に達しますが、この各段階簿記の学習時間との比率にかんするお話をしたいと思います。
まず一般的なお話をしますと、これは簿記3級・2級・1級すべてに共通します。
スタートは入門で知識ゼロの状態から始めます。
そして、初級レベル、基礎レベル、応用レベルと進んできます。
合格ラインは7割です。
直近でいくと簿記2級と簿記3級は2月25日の第148回で、次が6月の149回で、その次が11月中旬の150回です。
2018年はこの3回ありますが、いずれかを目標とするにあたってみなさんの必要な勉強時間とみなさんの置かれている各ステップとの関係性を意識してみてほしいと思います。
日商簿記検定3級・2級・1級については、合格ラインは100点満点中70点以上です。
この合格ラインが応用レベルのマスター受験生です。
基礎と応用の間に合格ラインがあると思ってください。
合格ラインを超えたあたりが応用レベルのマスターレベルだと思ってください。
応用レベルのマスター水準に達するには、時間数をパーセンテージで表すと、2割がだいたい入門から初級で、次の4割が基礎です。
ということは、知識ゼロから始めて全体の60パーセントに到達した段階で基礎が終わっている状態です。
そして最後の40パーセントが仕上げで、実践的な応用力をつける段階です。
ここでは過去問やミニ例題や例題をやります。
新形式のテキストにはミニ例題しかついていません。
商業簿記や会計学ではミニ例題と言っていますが、あれは従来の例題と考えてください。
今はちょうど商業簿記・会計学に関しては会計基準の変更に合わせて最新版を提供しています。
商業簿記・会計学は制度がコロコロ変わるので、それに合わせて新しいものにしています。
工業簿記・原価計算は制度が安定しているので、あの形が完成形となっています。
ですので、あまり動かさないでほしいと言われています。
先日、受講生の方から「ミニ例題はあるが例題がありません」という質問がありましたが、ミニ例題が従来の例題です。
工業簿記・原価計算は「例題」となっています。
ややこしくて申し訳ありませんが、柴山式を受講されている方は講義の通りにやっていただければ結構です。
ともあれ、ミニ例題または例題のすべてをマスターして、過去問を徹底的に練習するのが応用期です。
これは簿記1級の話で、簿記2級・3級はテキストの基本問題や過去問が応用期になります。
時間数100パーセントのうち入門が20パーセントで、基礎の部分が40パーセントで、応用が40パーセントです。
インプット、つまり講義を受けて知識を吸収する段階と、練習をするという段階それぞれの時間の配分も大まかに目安を書きました。
入門から初級の段階はインプットが多くなりますが、それでも5対5ぐらいです。
インプットばかりやって手を動かさないと定着しないので、5対5ぐらいです。
従って、100パーセントの合格までの時間数のうち20パーセントのさらに半々ぐらいがインとアウトです。
そして、初級がある程度終わって基礎、要するに本当に入門レベルの基本的なところ、もちろんインプットの途中ですが、初級の学習に入っていきます。
そのときは半々から少し多いぐらいでアウトプットを多めしてください。
基礎期というのは入門から基礎までの前半を初級だと思ってください。
基礎のうちの前半が初級なのです。
そして基礎の後半はまさに基礎です。
その中盤から後半にかけての基礎力を養成する段階ではインプットの比率を5対5から4割ぐらいに減らして、若干アウトプットを多めにするという意味が後半です。
基礎期の後半というのは、授業が一通り終わった状態で、次に復習や例題や基本問題をしっかりやろうと思っている段階です。
ここで個別のパーツとなるべきテキストの基本問題または例題・ミニ例題といった個別の問題を6割か7割仕上げるというイメージです。
半分以上仕上げてほしいのは基礎期までです。
ただ、ここまでの段階でできればミニ例題や例題といった基本的な問題は6割仕上げてほしいです。
基礎から応用になったときに、ミニ例題や例題あるいは基本問題のうち、あなたが苦手なものが応用期で潰すものです。
それが3割か4割です。
それを全部潰してほぼ100パーセントに近い状態で個別問題またはミニ例題・例題をマスターして、過去問などをマスターします。
それによって100パーセントの勉強が終わるということです。
最後の応用期は2対8で、インプットは2割あればいいです。
苦手なところだけ講義を見直したりノートやテキストを見直します。
必要最小限なので2割です。
8割は徹底的に演習を行ってください。
入門から初級はインプットとアウトプットの比率は5対5、初級から基礎期の後半は4対6、応用期に入ったら2対8です。
これを踏まえて簿記3級・2級・1級の勉強時間を見ると、このような感じになります。
あなたが目指している級に合わせてください。
例えば簿記3級ならば入門から初級は50時間が必要な勉強ですが、そのうち10時間が初級までで、20時間が基礎期で、最後の20時間が応用です。
そのうちアウトプットは合計33時間ぐらいです。
簿記2級の場合は100時間の勉強のうち20時間が初級で、40時間が基礎で、最後の40時間が応用です。
アウトプットについては、入門から初級のアウトプットが10時間ぐらいで、基礎期がだいたい40時間のうちの6割で24時間で、最後の応用期は徹底的にアウトプットなので40時間のうち32時間がアウトプットです。
合計で66時間です。
簿記1級も同じで、500時間の勉強時間のうち330から350時間はアウトプットに費やしてほしいです。
最初の授業のときは100時間のうちインプットとアウトプットは50時間ずつです。
次の基礎期の段階はアウトプットを少し増やして、200時間のうち120時間以上はアウトプットを徹底的にやってください。
具体的にはミニ例題や例題です。
最後の応用は8割から9割ぐらいはアウトプットです。
200時間のうち160時間以上は過去問やミニ例題・例題などの個別問題を徹底的にやってください。
全体として500時間のうち330時間、つまり3分の2以上は確実にアウトプットをやって、練習練習また練習で基礎力と応用力と実践力を身に付けてください。
これが柴山式がお勧めするアウトプットを中心に学習していただく段階別の学習スタイルのご提案です。
ぜひ参考になさってください。
私はいつもあなたの日商簿記検定1級・2級・3級の合格を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。