物事を正しく判断するために、その背景をよく考えてみよう!

今回の「前を向いて歩こう」は、最近私が実際の中小企業経営者のコンサルティングであった事例を少しシチュエーションを変えて、ケーススタディという形でお届けします。

今回はある予算と実績の比較と、前期と当期の前年同月比の実績の比較において、社長さんが事実を少し違う見方をしてショックを受けたというところから始まります。

最初にミーティングを行ったときに、その社長さんは浮かない顔をしていました。
あまり気持ち的に良くないことがあったのだろうと思って話を聞いてみました。

去年の1月と今年の1月の実績を比較してみましたが、去年の1月は売上が120万で原価が40万でした。
必要経費は60万で20万の利益が出ていました。

今年の実績を見たら、売上が144万となって前期と比べて20パーセントアップしました。
原価も10万円増えました。

そうすると、利益は30万ぐらいに増えているだろうと思って社長さんは期待して集計してみたら、実はほんの気持ちしか上がっていなかったのです。

これだけ頑張って売上を上げているのに、利益は1万円しか上がらなかったのです。
これがスタートでした。

たしかに見てみると売上が20パーセントアップしたら頑張ったと思います。
しかし利益は5パーセントしか上がっていないので従業員に檄を飛ばしたということです。

しかし、よく見てみると、経費13万アップについて実は一生懸命やっているうちに忘れてしまったのですけれど、1年前に遡るとこういうことがあったのです。

経費13のプラスは事前に想定されていて、これは絶対避けられないものです。
例えば社会保険料のアップなど、色々あるのです。

120万でマイナス40万の粗利が80万の状況で73万まで経費が増えたらどうなるでしょうか。

一気に利益は20から7まで下がってしまいます。
13も利益が下がってまずいことになります。

もう少し売上が下がったら赤字です。
ここでコンサルをお願いされたのです。

実際にコンサルに入ったスタート時点では経費アップは既定路線でした。
なぜ経費アップするかというと、新規市場の開拓などが色々必要なので、人員を増やさなければいけなかったのです。

あとはその人員に対して社会保険料などを見直してみたら上がることがわかったのです。
今は人手不足なので、人を雇うにはある程度福利厚生に力を入れなければいけないので、13のアップは免れないのです。

この前提で売上を増やさなければいけないということで、15パーセントぐらいのアップをする売上予算を立てたのです。
さらにそれ以上にいったのです。

それで、見てみて考えてみたら、前期と当期を比べてみると売上は24万増えて原価も10万ぐらい増えました。

粗利は10万増えましたが、もし私がコンサルに入らずに何もしなければ120と40のままです。

そうすると20の利益が7まで激減するので、ほぼ赤字に近くなります。
50パーセント以上の減益はまずいです。

当面新規開拓の初年度はそれほど人員増の効果は出ません。
その状況で今のマーケットで頑張って20パーセント上げました。

人員増の新規開拓の効果は来年度以降に出るので、将来の投資のために今年1年間のコストアップは我慢しましょうと言ったのは1年前ですが、目の前の現象に目を奪われてそれを忘れてしまったのです。

13増えた状況で頑張って14も粗利が増えたことを喜びましょうと言ったら、気持ちが楽になったそうです。

将来の新規開拓のためにコストアップしたことは投資なのです。
そこを間違えてはいけません。

だから、経費の背景をきちんと知って、売上20パーセントアップだけれども利益は1パーセントしか上がらなかったのですが、逆にコストアップを予想していて下がらなかったのです。

ですから、これはコストアップというよりは将来の新規開拓の投資をしたのです。
来年以降はもっと売上が上がることを踏まえて、144万が来年は200万になるかもしれません。

そのための攻めの投資をして、そのコストアップを今の努力で今の体制のまま吸収して減益にならなかったはすごいということを話したら、社長さんはホッとしました。

「なんかやばいな」という雰囲気を出して従業員に指導すると社長に余裕がないように見えます。

実態は上手くいっているし、将来のための人員アップや福利厚生の充実で来年以降の戦力アップはできているのに、社長が目先の実績だけを見て不安になっていたら、せっかく投資の準備をやっているときにやる気がなくなってしまって、結局利益ダウンということもあり得るのです。

だから、社長さんは背景の認識を間違えてはいけません。
そこで出てくる話はこれです。

70パーセントという客観的な事実があったとして、それを見ている人は客観的には見られないのです。

そういうふうに見た瞬間にオーラが出てしまうのですが、そのオーラがマイナス要因なのです。
オーラを出さないということは、きちんと事実について理解できているからです。

例えば70パーセントの事実を多少のブレがあったとしても、6割か7割の事実ということで適正に評価できるのか、あるいはこれを自分の都合良いように解釈して70パーを100パーや150パーと過大評価することも悪いのです。

今回の社長さんのケースは過小評価です。
70パーセントの事実で、たしかに売上は20パーセント上がって利益はほぼ横ばいで1万しか増えていないけれども、これは投資と思ってやっているということを思い出しましょうということです。

その背景をもう一度しっかり考えることが大切です。
予想通りにいってないと全部がダメだと思って過小評価をしてしまうと、マイナスオーラが出てしまいます。

過大評価も怖いし、楽観過ぎるのも怖いし、悲観過ぎるのも怖いのです。
適正に物事を見るのがリーダーの1つの資質です。

感情的に過小評価をした悲観的なオーラは周りに悪影響を与えます。
逆に楽観的過ぎるのもまずいです。
要するにバランスが大事なのです。

適正評価を心掛けて、ある事実について感情的に反応するだけではなくて、その背景を考えて適正な評価を下す習慣を身に付けたいものです。
これは勉強でも仕事でも人間関係でも使えると思います。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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