有価証券の期末の評価について【がんばろう独学簿記2級156】

がんばろう日商簿記2級合格、今回は「有価証券の期末評価について」というテーマでお話をしたいと思います。

今日は2016年6月9日ですが、もうすぐ第143回の日商簿記検定があります。
143回からは出題区分が大きく変わって、特に簿記2級の商業簿記に大きな影響があります。

その中の一つに有価証券の評価がありますので、ここで簡単におさらいをして、みなさんの勉強に役立てていただこうと思います。

簡単にメモを書いてみましたが、このメモはダウンロードできるようにURLを記載しています。

ただし、一点だけ、右上に書いてある「有価証券評価損益(P/L)」というところだけ書かないでスキャンしてあります。

これは142回までは日商簿記検定3級の範囲だったので、簿記3級を勉強された方は知っていると思いますが、これは損益計算書の営業外損益になります。
このあたりはどのテキストにも書いてあるので復習しておいていただきたいと思います。

では、4つの有価証券の区分についてお話したいと思います。
1つ目は売買有価証券ですが、期末は時価評価をして、評価差額は「有価証券評価損益」あるいは「有価証券運用損益」という名前で損益計算書の営業外損益に表示します。

表示科目としては「有価証券評価損益」と書けば益も損も出てきますが、「有価証券評価益」というのが評価益で、「有価証券評価損」というのが営業外費用だということもあります。

売買目的有価証券の期末評価は「切放法」といって、いったん時価で評価して、そのまま放っておいてもいいというやり方があります。

それと「洗替法」といって、いったん期末に時価で評価したら、翌期首に反対仕訳をして取得原価に戻すというやり方もあることを知っておきましょう。

ちなみに洗替法は翌期首にやるのが基本ですが、期末の決算整理でやることもあり得ますので、理論対策として一応注意してください。

2番目の満期保有目的債権ですが、償却原価法(定額法)というのを使います。
詳しくはテキストなどで復習してください。

3番目ですが、子会社株式は発行済み株式総数の50パーセント超を持っていると子会社で、関連会社株式は20パーセント~50パーセントの範囲です。

関連会社は重要な影響を与えていて、子会社は支配しているということです。
ちなみに、子会社株式と関連会社株式を合わせて「関係会社株式」と呼ぶこともあります。

簿記2級で出題されるかどうかは分かりませんが、簿記1級ではやるとは思います。
期末は原価で、時価評価はしません。
支配目的であって、売る予定がないからです。

4番目のその他有価証券は、1つ目の売買目的有価証券でもないし、2つ目の満期保有目的債券でもないし、3番目の子会社株式・関連会社株式でもない、上記の3つのいずれにも属さないものです。

いわゆる、取引安定化のための相互持ち合い株というのがあります。
売るつもりでもないし、支配でもないという有価証券です。

これは、期末は時価で評価しますが、売買目的有価証券のように評価差額は損益にしません。
要するに業績に加えないということです。

損益計算書に入れるということは利益に加算したり減算したりしますが、利益には影響させません。

したがって、期末は時価評価しますが、その他有価証券評価差額金(純資産項目)という勘定科目を使います。
これを「純資産直入法」といいます。

これは柴山式の講義では勉強していますので、復習しておいてください。
そして洗替法を使います。

洗替法は翌期首または翌期の決算整理で反対仕訳をします。
このあたりを知っておいていただくと良いです。
この4つの分類による期末の評価方法を確認しておいてください。

今度の試験で出る可能性があるので、がんばって勉強してください。
私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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