メディパル、物流コストを抑えて純利益最高

医薬品卸の最大手であるメディパルホールディングスが、5月16日に決算短信を公表しました。

それによると、当期純利益が過去最高の307億円を記録しました。

前期比で約30%のアップになります。

このような好業績を記録した一つの要因として、物流コストの削減効果が挙げられています。

具体的には、各地で大型物流センターを整備し、物流コストの削減を進めたことが奏功しました。

また、訪日客が増えた影響で、ドラッグストア向けに化粧品や健康食品などの売れ行きが好調だったとのことです。

決算書の数値で見てみましょう。

※メディパルホールディングスの決算数値(一部)
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1.平成27年3月期
売上高        2,872,905百万円
売上総利益      201,735百万円
販売費及び一般管理費 168,940百万円
営業利益        32,795百万円
一日あたり売上高※  7,871百万円
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※2,872,905百万円÷365日=7,871百万円

棚卸資産     144,184百万円
在庫保有日数   18.3日

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2.平成28年3月期
売上高        3,028,187百万円  (前期比5.4%増)
売上総利益      217,497百万円   (前期比7.8%増)
販売費及び一般管理費 175,214百万円   (前期比3.7%増)
営業利益       42,283百万円    (前期比28.9%増)
一日あたり売上高※  8,296百万円
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※3,028,187百万円÷365日=8,296百万円

棚卸資産 142,653百万円
在庫保有日数 17.2日

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以上を見ると、売上高が前期比で5.4%増加したのに比べ、営業利益は、なんと前期比で28.9%も伸びています。

その理由として、販売費及び一般管理費が前期比で3.7%しか増加しておらず、売上高の5.4%増加および売上総利益の7.8%増加に比べ、費用の低い増加率が利益の増加率アップを引き起こしたと考えることができます。

売上高が5.4%アップに対して、粗利である売上総利益が7.8%アップと、2%も増加率が高いのは、売上原価が売上高のアップ率ほど増えていないため、と考えられるため、商品のマーケットにおける競争力が高くなった、と見ることもできます。

粗利の7.8%アップと販売費及び一般管理費の3.7%アップを比較すると、粗利の伸び率の半分位の増加率で販売費及び一般管理費の増加をおさえていることが、営業利益の28.9%アップにつながっています。

なお、新聞記事中で言っている物流コストの削減効果は、販売費および一般管理費のなかに含まれます。

具体的には運送コストなどが大きいと想像できますね。

これらの原価削減効果が有効だったのではないでしょうか。

経営努力が損益計算書にはっきりと反映された事例として、取り上げてみました。 

(日経16*5*17*15)

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