住友商事が減損損失1951億円を計上

住友商事は、9日に2016年3月期の連結決算を発表し、最終利益が745億円になったことがわかりました。

前期は731億円の赤字だったため、前期比で、1500億円近くの増益を記録したことになります。

なお、2016年3月期の住友商事の連結損益計算書を見てみましょう。

連結損益計算書

収益合計 4,010,808百万円 (従来の売上高に相当)
原価合計 3,116,751百万円 (-)
売上総利益    
   
(途中省略)    
   
最終利益 74,546百万円 (従来の当期純利益に相当)

このような形で、住友商事(親会社)に帰属する最終利益の額は745億4,600万円と計算されています。

ちなみに、これを事業の種類別に見ていきます。

セグメント情報という表で確認できます。

745億円の内訳は、次のとおりです。

1. 金属 120億円 (前期325億円)
2. 輸送機・建設 734億円 (前期406億円)
3. 環境・インフラ  256億円 (前期229億円)
4. メディア・生活関連 648億円 (前期571億円)
5. 資源・化学品 △1,516億円 (前期△1,910億円)
6. 海外現地法人・海外支店 211億円 (前期△227億円)
調整 292億円  
連結最終利益 745億円  

資源・化学品が1,516億円と巨額の赤字を記録しています。

数字だけを見ると、ここが、現時点では住友商事全体の業績上のボトルネックと考えられそうです。

なお、資源・化学品における赤字1,516億円には、次の減損損失が含まれています。(住友商事の決算発表資料より)
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(1)マダガスカルニッケル事業の減損損失  770億円
(2)南アフリカ鉄鉱石事業の減損損失    183億円
(3)ブラジル鉄鉱石事業の減損損失     146億円
(4)チリ銅・モリブデン鉱山事業の減損損失 140億円
(5)豪州石炭事業の減損損失        121億円
———————————————–

以上を含め、資源ビジネスで合計1,553億円の減損損失を計上したそうです。

ちなみに、減損損失というのは、固定資産などの設備が、有休状態になるなどして、会社のキャッシュ・フロー獲得に貢献できなくなる、と予想される場合に行う、固定資産の評価損失です。

臨時・異常な原因ということで、日本の会計基準では、損益計算書の「特別損失」という区分で表示します。

ちなみに、住友商事グループ全体では、1,951億円の減損損失であったとか。

前期が3,103億円という、かなりデカい減損損失だったので、これにくらべれば、1,000億円以上も減少したので、まだマシになったかな、という感じですが・・・。

それでも、2,000億円近くあるのですから、ケタ違いの額ですね。

住友商事という会社の規模の大きさを、まざまざと感じさせられます。

なお、決算発表であきらかにした2017年3月期の業績予測は、最終利益1,300億円と、前年比74.4%プラスです。

大手商社と資源関連の減損損失は、関連性の深い業績ポイントのひとつですね。 
(日経16*5*10*15)

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