第65回(H27年度)税理士簿記論の合格体験談

柴山氏(以下、柴山): 税理士簿記論講座を担当しております、公認会計士・税理士の柴山政行です。

柴山式簿記検定3級2級1級講座とあわせて税理士簿記論、財務諸表論という形で、税理士の志望者の方にも簿記・会計などの指導をしております。

このたび、平成27年、第65回に簿記論、見事合格されましたマエムラショウさんをここにお招きしていろいろな合格体験談を聞かせていただきたいと思います。
ではマエムラさんどうぞ、自己紹介をお願いします。

マエムラ氏(以下、マエムラ):今回、65回の税理士簿記論に合格しました、マエムラと申します。

柴山:実はマエムラさん、二度目の出演です。
一度目は2年ぐらい前になりますか。

実は彼は日商簿記検定1級、第135回に4ヶ月で一発合格したというときからの柴山式の、ある意味お弟子さんということで、優秀な弟子なんです。

簿記1級に受かって、その後いろいろ経緯があって東京に出てきて勉強をしてますが、そのあたりをお話してください。

マエムラ:簿記1級に受かった後に、会計士の勉強をするために東京に出てきまして、それから1年半ぐらい勉強をしています。

柴山:マエムラさんは最終的には公認会計士試験の合格を目指して勉強をしていて、今回、短答を受けて非常に感触が良かったということです。

財務会計、つまり簿記論に関してはかなり自信がもてる状況になりました。
今回、短答式の点数、財務会計だけ教えていただけたらありがたいです。

マエムラ:財務会計は154点でした。

柴山:これは200点満点の154なので8割近く、77パーセントです。
税理士簿記論、財表受かった人や会計士の合格者からみても200点満点の150点はなかなか取れないです。

財務会計に関してはかなり実力がついています。
そういった実力養成の一環として税理士簿記論の勉強が役に立ったということです。
あとは実務でも役に立ちます。

私はマエムラさんに会計士の財務会計だけではなくて税理士の簿記論の過去問や、税理士の簿記論を勉強しておくと実務で使えるという話をして、見事実践していただいて、今回合格したということです。

本当におめでとうございます。
では、税理士の簿記論を受けようと思ったきっかけや、勉強で気をつけたこと、簿記論に限らず上級レベルの簿記の勉強という意味で、普遍的に言ってもらうと勉強になると思います。

会計士を受ける方もいらっしゃいますし税理士簿記論もそうだし、レベル的に近いのは簿記1級です。

これは税理士試験の結果通知書ということで、合格27って書いてあるので、受かっています。
では、合格体験記なども踏まえながらお話をしてください。

マエムラ:まず、会計士の受験、短答式がメインですけども、幅を広げるために簿記論を受けたほうが良いかと思いました。

ただ、会計士の財務会計論と簿記論というのは違いますから、その違いに対応するために柴山式の簿記論講座というのがあるのを知っていましたので、それを受講しようと思いました。

柴山:もともと簿記1級講座でベースはできていたのですね。
4ヶ月で簿記1級レベルの力をつけていたということで実際に受かっています。

平成25年7月の下旬に勉強をして、11月に4ヶ月で受かったということです。
あのときは1日平均4時間ぐらいの勉強ですね?
500時間弱で1回簿記1級合格レベルにいったということです。

それから税理士簿記論が受かるまでだいたい1年ぐらいです。
もちろん簿記論専任の勉強ではなくて会計士の勉強をしていたので、簿記以外に会計士の受験科目をやっていましたね。何がありましたか?

マエムラ:管理会計、監査論、企業法です。

柴山:簿記論だけではなく、いろいろな勉強をしながらだったのですね。
社会人の方や学生の方も、いろいろなことをやりながら簿記論に受かったと思ってくれればいいわけです。

監査論や会社法などは、実は独学でやっています。
独学で会計士の理論の勉強をしながら簿記論に受かったと考えていただければいいと思います。

簿記論を合格するにあたって簿記1級レベルの商業簿記、会計学、この知識はどうですか?

マエムラ:特に今回の65回に関してはベーシックな問題が多かったので、簿記1級レベルの問題を落としてしまうと、今回は落ちる原因になると思います。

柴山:ということは、簿記1級簿記2級の基本的なところを取りこぼさないような勉強をした人が受かっていると考えていいですか。

前の年が超難問だったからうまく入れ替わった感じです。
だから逆に財務諸表論のほうが非常にマニアックで、今回は簿記論のほうが割と素直な、簿記1級レベルの勉強をしっかりやっていた人が受かるということです。

柴山式簿記論講座を受講する前にどのような悩みがあったかということを、ちょっと一言でお願いします。

マエムラ:簿記論特有の癖や点の取り方や総合問題の取り組み方ですね、そこがどうなのかよくわかりませんでした。

柴山:そのあたりが簿記1級と違います。
簿記1級は7割以上を確実に取りにいかなければならないんですけれど、簿記論というのは基本的に半分ぐらい取れればいいです。

逆にいうと半分をどう捨てるかです。
瞬間的にできない問題を取捨選択するという判断力は簿記1級にはないものなので、そこをプラスアルファでやったということですね。

あとは簿記論で意識したというか、印象に残った論点の配分とか何かありますか?
簿記論をみていて、会計士や簿記1級と違うところです。

マエムラ:連結や、企業結合会計というのは簿記論にはあまり出ません。

柴山:一般的な簿記の計算力を純粋に聞かれると、そこが意外になおざりになってしまいます。

マエムラ:とても実務色が強いので、そこは癖が強いという感じでした。

柴山:それを癖とみるか、実務に直結しているとみるかは、また別問題です。
会計士の試験でみたらちょっと違います。

もしかしたら会計士の試験のほうが癖があると言ってもいいかもしれません。
監査特有ですから。

税理士の場合は中小企業や経理、中身をみるというベタな会計実務の力の簿記論という意味では、税理士・会計士になったあとにも実務的には役に立つかもしれません。

柴山式簿記1級ですでに結果を出しているので、事前の心理的なリスク・不安はなかったということですね。

簿記論講座受講を決め手は、簿記1級で合格したからということですね。
あと、私の講義で何か特徴的だと思うことはありますか?
いろいろな専門学校とかみていると思いますけど。

マエムラ:柴山先生自身が実務経験があり、実務の話が織り混ざった講義なので面白いです。

柴山:そういうのがやはり興味がもてるのですね。
試験対策だけではなくてね。

今度は自分でそういう話をできるようになるといいですね。
あとは、簿記論講座を受講してみてどのような印象をもったかということです。

マエムラ:簿記論特有の論点や点の積み上げ方や本番での心構えなど、そういったところです。

柴山:具体的に簿記1級と一番違うと思ったところはどこですか?
多分、これをみられている方は簿記1級から簿記論にいく人が多いと思うのです。

簿記1級の試験対策と、論点はほぼ9割重なりますが、1級商会を解くときと簿記論とのレベルはある程度あるとしても、論点変わらないと思います。

でも難しく感じるということがありますね。
何が違うのですか?
簿記論を実際に受けてみて。

マエムラ:はじめに問題文を見てどういう時間配分にするとか、AランクBランクCランク付けてAランクから解いていくという、そこのへんがすごく簿記1級以上に求められます。

柴山:簿記1級以上に論点の取捨選択、つまり捨てるということに対する勇気が必要になってくるわけですね。

場合によっては半分ぐらい捨てないといけませんから。
4割ぐらいでも受かる年あります。
ということは6割捨てることもあるわけですね。

いかに半分ぐらい勇気を持って捨てるかです。
これは簿記1級にはないです。

簿記1級は8割ぐらい取りにいきますから、捨てるのは2割です。
簿記論で8割はありえないですか?

マエムラ:ありえないです。
対応力です。

過去問に慣れすぎてしまって、40点ぐらいで良いというマインドですと、今回の場合は簡単でしたので、40点マインドですときつかったと思います。

柴山:そのへんは柔軟性が必要だということです。
また来年はわからないし、先入観をもたないことも大事だということです。
そういったことも私は話しています。

では次です。
このへんはどうですか?

細かいほうの合格体験記を書いてもらいましたが、このなかで自分が特に意識したり強調したいところはありますか?

マエムラ:なぜ目指したかというあたりの話です。

柴山:目指したきっかけですね。
ではこのあたりを熱く語っていただければと思います。

マエムラ:本番慣れということと、成功体験です。
勝って自信をつけるということです。

柴山:簿記論で勝てたら自信がつきますね。

マエムラ:自信が相当つきます。
やはり社会的な評価のある資格ですから。

柴山:受かったときは簿記1級以上に嬉しかったですか?

マエムラ:嬉しかったです。

柴山:お酒に強いのですけど、昨日合格発表あって今日朝みたら珍しく事務所に来てなくて「どうしたの?」と聞いたら「ちょっと飲み過ぎた」と、深酒したと、それぐらい嬉しかったのですね。
親御さんには伝えました?

マエムラ:伝えました。

柴山:何とて言っていましたか?

マエムラ:喜んでいました。

柴山:簿記1級と違って税理士簿記論ですからね。
国家資格だから、「もしかしたら俺も独立できるんじゃないか?」と、ちょっと言っていましたね。

第一歩で、税理士としての活躍も充分これから期待できます。
学習スタイルは、簿記1級の勉強のときと大きな変化はないですか?
やっぱりコツコツやるということですか。

マエムラ:そうです。毎日やることです。

柴山:論点別学習法、これに注目したのですけど、ちょっと解説をしてください。

マエムラ:論点別に学習法を分けているというよりも、どこから出題されてもいいように全論点をきっちりまんべんなくやるということです。

柴山:ひとつの論点を徹底的に深掘りするというよりは、まずは全体を大きく流している。

マエムラ:結局何を出されるかが分からない中で絞ってしまうと、久しぶりに見た論点が本番で出されると焦ってしまいます。

柴山:それはやはりこの1年間勉強してきてわかったことですね。
簿記1級のときも似たような感じでしたか?

マエムラ:そうでした。

柴山:ということは、特定の論点に山を張るのではなくて、どこが出てもいいように柔軟にやっておくということですね。

偏りがないように勉強です。
これは参考になると思います。
あと、苦労したことは何かありますか。

マエムラ:第三問です。ここがすごく難しいです。

柴山:基本的に満点取らせないようなものですね。
2時間かけて解かなければいけないものを1時間でやらせますからね。

そういった意味では、今回多少は下がったといいながら、それはそれで量は多かったですか。

マエムラ:第三問は難しかったです。

柴山:やっぱり多かったのですね。
簿記論を勉強するときは第三問の量が多いので、いかに論点を効率良く取捨選択するかということが大事だということです。

やはりまんべんなくですね。
スランプ対処法、これ結構気になる方がいらっしゃると思うのですがどうでしょうか。

マエムラ:十人十色だと思いますけど、僕の個人的な意見としては本を読むことです。

柴山:どんな本を読みますか?

マエムラ:自伝です。スポーツ選手が書いているような本などです。

柴山:どんな人の本を読みましたか?

マエムラ:辰吉丈一郎という方です。

柴山:渋いところいきましたね。
筋トレとか好きだと言っていましたからね。
実は、割と肉体派なのです。

マエムラ:プロボクサーの方たちは命がけなので、すごくいい言葉を言うのです。

柴山:魂の言葉みたいな言葉ですね。
必ずしも会計業界ではなくて、スポーツや体を張って生きている人の自伝はいいですね。ノートに書いたりするのですか。

マエムラ:日記帳にそういうのを書いたりしました。

柴山:どういう言葉が一番よかったか、今思い浮かぶところで言ってみてください。

マエムラ:東洋太平洋チャンピオンの坂本博之という、たしか2000年に畑山隆則とWBAのライト級タイトルマッチで、負けてしまったんですけれど、その方の「苦しいときほど前へ進むのだよ、俺は」という、それがすごいです。
ノートに何回も書いています。

柴山:書くと入ってくるのですね。
そうやって簿記論をつかんだと、素晴らしいです。
これは参考になります。

あと、柴山式簿記論講座の特徴をちょっとだけ、一言お話していただけるとありがたいです。

マエムラ:実務の話を絡めながら講義されるということと、点の取り方や戦略の部分がすごくわかりやすかったです。

柴山:そう言っていただけるとうれしいです。
マエムラさんも簿記1級のみならず簿記論を取得しました。

それから公認会計士の財務会計の短答式、これはなかなか難しいんですけど、75パーセントを取れる力がついてきているので、かなり講師レベルに近いです。

これからはもしかしたら柴山会計でも資料作りとか、そういったこともお願いするかもしれませんのでよろしくお願いします。
あと、合格のビジョン、これを最後にお願いします。

マエムラ:8月の論文式に向けてまた、最終目標がありますので、謙虚にコツコツ勉強していきたいと思います。

柴山:税理士も資格が取れるように、これから税法の勉強も大事になると思うので、もし良かったら税理士のほうも目指していただければと思います。

まずは今回簿記論です。
会計士の財務会計論の勉強の一つの重要なベースとして簿記論という勉強をしてもらったということです。

すごく役に立ったと思います。
最後、その他伝えたいことをどうぞ。

マエムラ:苦しいときこそ前に進みましょうという、坂本さんの言葉です。

柴山:今度はマエムラさんの言葉ということで、みなさんもぜひ刻んで、次の簿記論の合格者はあなただということで頑張ってください。

今日はマエムラさん、ありがとうございました。
ぜひ頑張ってください。

以上でマエムラさんの合格体験記インタビュー終わりにします。
みなさんもぜひ頑張ってください。
ここまでお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

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