とてもだいじな「基礎力」の定義

がんばろう日商簿記1級合格。
今回のテーマは『基礎力の定義』です。

基礎力とは何かということをはっきりと意識して勉強されている方はなかなかいないかもしれません。

これは専門学校や予備校あるいは学校などでも掘り下げて解説されることはないと思います。

教える側の先生のほうでも、十人十色で、10人の先生がいれば10通りの基礎力に対する考え方があります。

基礎力の定義をあらためてすることはないと思うのですけれども、私の25年ぐらいの教室での指導経験や、コンサルティング経験を踏まえて、基礎力というものを定義しております。

基礎力についての柴山流の定義をお話しします。
参考になさってください。

これは日商簿記検定の4級、3級あたりから公認会計士、税理士試験のレベルまで同じです。

レベルに関係ありませんので、今回のテーマは簿記1級の受験生に限らず簿記2級3級の方も見て欲しいです。

簿記検定に限らず、資格試験や勉強、仕事をする方すべてに通じます。
これは一般的な基礎力の定義です。

お見せします。
基礎力とは何か。
基礎力とは問題を解決する力なのです。

ある問題に対して、正しい知識を用い、必要な処理手順を、速く正確に、何度やっても、安定してやり遂げられる、そういった能力のことです。

「何度やっても」というのがポイントです。
やったときによって結果が変わるのは基礎力とは言いません。
それはまだ不安定です。

したがって、最後は安定した処理能力なのです。
処理の安定性がなければ基礎はまだ不充分です。

ここのところをあまりはっきりと定義されてないのですが、何度やっても同じ結果が出なければ基礎力とは言いません。

それは基礎力不充分です。
1回たまたままぐれで出来たのではだめです。
これは大事なことです。

だから常に基礎力は確認する必要があります。
出来るようになっても、もう一度本試験までに確認しておかないと、3回やって2回できるではダメなのです。

間違えたその1回が本番で出たらまずいので、3回やって3回出来ることがベストです。
だから、私が会計士の試験時代は、同じ問題を3回連続で出来なければマスターしたとは言えないようにしました。

2回出来ても3回目で間違えたらもう1回やるのです。
3回やって3回とも出来るようになることが本当の基礎力です。
ということは、身に付いてないとまずいです。

必要な処理手順についての分析もちゃんとしていない人も多いし、なんとなくダラダラとやってしまうと基礎力はいつまで経っても身に付きません。
意識しましょう。

今、自分が勉強しているのはある問題に対する正しい知識の確認なのか、あるいは処理手順を理解しようとしているのか、理解は半分でもいいです。

処理手順が見えているのかどうか、何の処理手順をやるか、ここがあやふやなケースが多いです。
処理手順をきちんと決めてください。

それはテキストの解説に載っています。
テキストのいったとおりに処理手順をやります。

処理手順を何回見ても、できれば2回3回連続で見ても処理手順がぶれないことです。
処理手順がぶれるから結果がぶれるのです。

結局、何度やっても同じ問題なら答えが同じにならないと基礎力が付いたとは言えません。
ここが不安定だから受からないのです。

簿記3級も簿記2級も簿記1級もです。
簿記1級はそのレベルが高いです。
だから簿記3級2級以上に基礎力を意識しないとだめなのです。

たとえば減損会計の手順や退職給付会計の手順や割賦販売の手順など、その他有価証券の評価の手順、連結決算の手順、何でも手順はあるのです。
必ずテキストに書いてあります。

ここでいう正しい知識というのは、どのテキストに載っているような基本的なキーワードの知識です。
基本的な重要用語の知識です。

それをきちんと使わなければ処理手順もわからないです。
正しい知識はインプットの基本的なところです。
これは理論対策にもなります。

この基礎力にすべて入っています。
正しい知識を用いるということは理論にもある程度対応できるということです。

そして、必要な処理手順です。
この処理手順を知っていることが大事です。

理解は半分で良いです。
理解を完璧になんて考えなくていいです。
理解はだいたいで良いです。

ゼロというのは困るけれど、何となくわかれば良いです。
大事なことは処理手順を何度やっても速く正確に同じ手順を辿れることなのです。

ギターなら何度やっても同じフレーズを弾けるということなのです。
私もギターやっていますが、同じフレーズを3回弾いても4回弾いても、同じようなタイミング、リズムで、ミスタッチをしないで弾ききることが基礎力です。

そのためにフレーズを区切って、2小節ぐらいを徹底的に練習したりするのです。
同じことです。

勉強もそうです。
処理手順の一部が苦手だったらその処理手順だけをやります。

たとえば減損会計なら減損の兆候とか減損の判定や、損失の計上のときにのれんがあるケースか、共用資産があるとか、パターンに応じて、この部分が苦手と思ったら、処理プロセスの一部を抜き取ってそこだけ徹底的に練習するみたいなことをします。

そして、必要な処理手順を速く正確に、何度やってもやり遂げられる、この3、4、5の能力をしっかりと身に付けることが基礎力です。
これを意識して勉強してみてください。

そうすると、あるテーマ、単元を分解して、どこが弱いかというところをさらに分解して、自分で分析する力がつきます。

そうすると、Plan・Do・See、あるいはPlan・Do・Checkといいますが、自分の行動を省みて、出来ない部分だけを抜き取ってトレーニングする、反復練習をする、それを改善するという改善の仕方が身に付きます。

勉強だけではなくて仕事にも役に立ちます。
ぜひ、この基礎力の定義、覚えておいてください。

柴山が定義する基礎力とは、ある問題に対して、正しい知識を用い、必要な処理手順を、速く正確に、これはどっちが欠けてもだめです。

遅くてもだめです。
速く不正確もだめです。

速く正確に以外ありえません。
4番大事です。

必要な処理手順を常に速く正確に何度やってもやり遂げられる能力のことです。
ぜひ、この定義を、よかったらみなさん自分で書いてみてください。

1個1個を丁寧に意識しながら普段の勉強をしてみてください。
あなたの基礎力が上がります。

必要な処理手順を速く正確に、何度やっても同じ手順が踏める、そしてやり遂げられる、そういった能力です。
これがすべての単元に身に付けば強いです。

簿記1級の合格は目の前になります。
私はいつもあなたの日商簿記検定1級合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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