クレディセゾンが自社株買いで銀行所有を解消

クレジットカード大手のクレディセゾンが、12月8日に、発行済み株式総数の11.41%に相当する2100万株を上限に、9日に自社株の取得を行うと発表しました。

金額は最大で487億2000万円です。

発表では、自己株式の取得を行う理由として、「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行尾可能とするため」だそうです。

新聞報道では、たとえば、みずほ銀行が9月末時点で、クレディセゾンの発行済み株式数の13.4%を所有しています。

これを2009万株の売却によって3%弱まで出資割合が低下し、筆頭株主から外れます。

ちなみに、記事のタイトルは「持ち合い解消」となっています。

厳密に言えば、持ち合いは、相互にあいての株式を持ち合うことなので、記事の趣旨からすると、「クレディセゾンの大株主であるみずほ銀行による銀行保有の削減」というニュアンスの方が強い印象です。

銀行がある会社の株式を持つことにより、その会社との資本関係を通じて発言権や影響力を高める、といったことが従来ありましたが、それが事業会社の経営の制約になることもありますし、銀行保有分だけ株式が市場に流通しないため、流動性が下がる、などの影響があるかと思います。

本来は自由流通部分が多い方が、上場企業の株式としては望ましいですから、まずは銀行保有株を自社株買いなどで会社が吸収し、その後に市場で売却して処分する、あるいはそもそも必要なければ消却する、などの手続を行うことは、良い方向だと思います。

ちなみに、過去にも何度か解説したことがありますが、自己株式(自社株)を取得したら、その額は純資産の部に「自己株式」という表示科目で、控除項目として表示されます。

以上、今回のクレディセゾンの自社株買いは、みずほ銀行による銀行保有分の解消に近づくお話でした。

(日経15*12*9*15)

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら