ヒューリックの有利子負債が長期化
不動産開発のヒューリックが長期借入金や社債などへの資金調達手段へと、返済期間の長期化を進めているそうです。
返済期限までの残存期間は、2015年12月期に、平均4.3年と予想されており、前期の約2.6年より、1年以上長くするとのこと。
当期末の有利子負債は約5900億円を見込んでおり、これは前期末から2割強増える見通しだそうです。
じっさいに、前期(2014年12月末)のバランスシートより、ヒューリックの有利子負債の残高を確認しておきましょう。
※2014年12月末
短期借入金******150,559百万円
短期社債*********3,999
1年以内償還予定の社債*12,000
社債**********38,100
長期借入金******268,638
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合計*********473,296百万円(A)
※2015年12月末*590,000百万円(B)
※差額********116,704百万円(B-A))
※増加率(A-B)÷(A)=24.66%
たしかに、以上の計算より24%台の伸び率となります。
不動産を商品としている業種の宿命とも言えますが、在庫とはいえ一件当たりの単価は通常の商品よりもかなり高額になります。
また、不動産を商品として仕込んだとして、コンビニのおにぎりのようにすぐ店頭でパッパと売れるような回転数の早い在庫ではないため、販売までの比較的長期にわたって資金回収ができないことが多いですね。
こういった事情から、借り入れや社債などの有利子負債による資金調達を上手に行う必要があります。
なお、有利子負債を流動負債または固定負債に分類する判断のものさしは「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」と呼ばれる方法によります。
決算日の翌日から一年以内に返済期限が来る負債を「流動負債」に、決算日の翌日から一年を超えて返済する負債を「固定負債」に分類します。
ヒューリックは、負債の返済期限を長期化する計画なので、固定負債としての借入金や社債が増えることを示唆しています。
当期末以降のバランスシートに注目していきましょう。
(日経15*9*17*17)