経済政策を2つの視点でみるとわかりやすい「効率と配分」【前を向いて歩こう328】



はい、皆さんこんにちは。
前を向いて歩こう、今回は「政策の2つの視点」というテーマでお話をしてみたいと思います。

丁度今2014年12月の上旬で、これから衆議院の選挙、アベノミクス、安倍政権の一つの通信簿として国民による評価が下される良いタイミングということで。
選挙権を持っている我々有権者は投票して国民の声を国政に反映してもらいたいと思うわけです。

その時に色々な判断基準がありますが、シンプルに経済政策という観点でいくとどういう風に見れば良いか、という一つの物差しをご提供したいと思います。
これはよく会員制の中でも言っているのですが、経済政策、これは色々あります。

マクロ経済的な物価の安定と経済成長、失業率ですか、伝統的なマクロ経済学ではインフレをある程度コントロールしながら失業率を下げる。
この二つはトレードオフと言って両立しないと言われています。
それはマクロ経済の発想です。
もう一つは厚生経済学的な考え方で、効率と配分。
これも両立しません。

何を言っているかというと、「競争させてモチベーションを上げて稼げる人に頑張ってもらって、引っ張ってもらってまずは経済を豊かにしましょう」と。
ですがその過程で機会を平等にするのです。
出来る人にチャンスを与えるので、機会の平等を与える。
そうすると当然勝ち組負け組が出ます。
元々足の早い人遅い人がいるのと同じように、勝ち組と負け組も出ます。
そうすると格差が出ます。
その格差が出た時に、ある程度国も税金を貰って、あるいは出来る人に資産を形成してもらって、その上でそのお金を再配分させてもらいます。
累進課税のような形で所得税を上げたりとかしてです。

なので、ある程度お金を持っている人に少しお金を頂いて、競争で勝てなかった人、経済的に弱い立場にある人にそれを再分配しましょう。
福祉の観点、厚生経済学の発想なのですが、効率性を追求して、まずはマーケットを豊かにする、富を多く蓄積するのです。

その上で、経済的強者から「少し取らせて頂きますよ」と政府が介入して少し取り上げて、競争の結果出てきた弱者の人に富を再分配してあげる。
これが福祉の観点です。
なので、効率と配分この観点のどちらを今重点にすべきなのか、というのは社会情勢を見ていきます。

私の個人的なイメージとしては、安倍政権というのはアベノミクスを言っており、企業競争が出来るように色々やって来ました。
三本の矢と言いました。
異次元の緩和をやりました。
競争を促進しました。
そして自由競争を出来るだけ政府が市場経済に変な意味で規制をかけない、ある程度競わせる。
成長を促進するのは競い合いが大事です。
基本的には自由競争市場はぞういうところがあります。
皆が競争して効率化すると良い物が安く手に入る、と色々な形があります。
なので、無駄をなくして自由競争で成長を促す。
そして、センスのある人や儲ける感覚のある人はどんどん稼いでもらって、まずは富を豊かにします。

ただ、問題はその中には当然苦手な人もいるので勝ち組負け組が出てきて格差が出てきます。
これは機会の平等なので結果は不平等になるのです。
しかしその結果、出来る人がどんどん頑張ってくれればとりあえず全体としては富が蓄積されます。
蓄積されたけど、今度は持てる人と持たざる人が出てくるので、「じゃあ持てる人にここまで稼いでもらったのだから持たざる人に少し再配分させて」と福祉の観点で政府がある程度介入します。

私は社会福祉目的ならば消費税がその一つだと思っているのですけれども。
そのようにして再配分します。
そして弱者への配分というのは、ここにあるあるいは失業保険であるとか、生活保障、あるいは社会保障費用、医療費の負担とかあります。
そういった弱者への配分のために政府が介入して、累進課税もそうですがある程度儲けている人は、実は税金や保険料がそれなりに高いです。

ということで、「取り上げてもらっても良いのだけれど、取り上げたものをきちんと社会福祉や配分に適正に使っているの?」と。
「変な保養所の勧誘やゲートボールやリラックスするマッサージ椅子とかに使っていませんか?」と。

少し皮肉も入っていますが「そういうことはやらないでよ」「贅沢品に使わないでよ」「きちんと福祉に回して弱者を救助させてね」と。
そして格差を無くす、政府の介入、これは結果の平等です。
ただこればかりをやってしまうと、今度は富を増やす才能のある人のやる気が無くなります。

「やってらんねーよ、じゃあシンガポール行こうか」「シンガポールに移住しちゃうよ?」「日本に居てられねえよ」「頑張ったってどうせ俺の財産取るじゃん」と言って富を稼げる人がいなくなってしまうと困るので、バランスが大事なのです。
なので、どちらを今重視すべきか。
7:3で効率重視の政策、0ということは無いので、配分は一瞬目をつぶって効率の方を重視してまず富を増やしてもらう。
「でも時期が来たら今度は逆転させて配分にいくよ」と。
これから配分にいくかどうかという話です。

消費税の税率アップというのはどちらかと言うと配分の方だと思うので、当然効率が下がります。
なぜなら同じ儲けでもその分だけ税金が上がったら持っていってしまわれるので、これは預り金では無いですよ。
私は中小企業のオヤジの感覚ですから預り金と思っていません。
売上から一部取られていると思っています。

なので、預かり金というのはあくまで建前はそうかもしれませんが、零細企業やっている人間からすると、色々な仕組みの中身を考えると、やはり税金の納税は増えています。
売上の伸びよりも納税が増えています。
これは私計算していて思ったのですが。
払うのは別に構わないのだけれど、その分をきちんと格差の是正とか、マニュフェストで言ってくれていることをやってもらいたい。

あとはもう一つ、議員の定数削減をやって下さい。
「消費税のアップは公約を守ったけれど、定数削減はやっているの?」と。
そういう所をきちんとやらないと再分配に対して取られる方は納得行かないのです。
なので、その辺を考えれば良いです。

ともかくまずは効率を重視する政策を取るのか、配分、福祉を重視するか。
両方を7:3、3:7くらいのイメージで、「今俺は配分重視だな」と思ったら、そういうことを訴えている政治家の方に投票すれば良いです。
このように経済政策というのは色々な見方がありますが、一つの価値観からすると、効率を重視するのか配分を重視するのかでどちらかで対立する概念なので、両方行ったり来たりで振り子のようにバランスが大事なのです。

「今あなたはどちらを重視すべきですか?」という自分の考え方に基づいて投票所に行けば良いのです。
良かったらこの経済政策の一つの視点、中々両立しない関係として効率性を追求するのか、あるいは配分を追求するのか、どちらを追求して今政治を選ぶべきなのか考えてみましょう。
私もこれから会員制あるいはメルマガ等でこういった話を色々していきたいと思っています。

今回のお話が皆さんの投票とか政治活動を見る時の参考になれば幸いです。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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