積水ハウス、総還元性向60%で株価好調(日経14*12*11*17)
積水ハウスが主力の住宅分野における収益拡大に乗り出した、と日経朝刊17面で報じられていました。
中期経営計画の最終年度2017年1月期の売上目標が2兆200億円、純利益目標が1,030億円だそうです。
消費増税の悪影響をものともしない前向きな姿勢ですね。
今年の9月以降は、1,300円を下回っていましたが、ここにきて1,500円を上回っています。
4日には1,646.5円まで上昇しました。
ちなみに、2014年1月期の業績は、売上高が1兆8051億円、当期純利益が798億円となっており、自己資本比率は52.6%と非常に高いです。
また、ROEは9.19%で、10%の大台へあとひといき!というところですね。
こうなると、さらなる有望株になっていただくためには、ROE10%以上に乗るかどうかが大きな分岐点となるでしょう。
こういった背景もあって、住宅分野の収益拡大策を選択したのかもしれません。
このときの新聞報道で目を引いたのが「総還元性向」という言葉です。
簡単にいえば、「自社株買い+配当」の額が、当期純利益に占める割合です。
当期稼いだ利益のうち、どれくらいを株主に還元するのですか?といった質問に答える指標になりますね。
これが、積水ハウスの場合60%に設定したということで、資本市場が好感した一つの大きな原因とみられています。
自社株を取得すると、その額はバランスシートの純資産・株主資本の控除科目(マイナス項目)として記載されます。
この分、自己資本比率は多少下がりますが、ROE(自己資本利益率)の計算上は分母の資本の額が減少するため、ROEが向上します。
また、一株当たりの利益(EPS)も上がるため、その観点からも株価上昇への圧力となります。
いまや、自社株買いを積極的に財務戦略として、とりいれることで会社の企業価値を高めることが、オーソドックスな経営手法の一つになりつつある時代です。
今後とも、積水ハウスのROEと利益還元政策に注目してみてください。