136回2級第3問は、本支店会計にも注意しよう!【がんばろう!独学で日商簿記2級合格30】


みなさん、こんにちは。
がんばろう日商簿記2級合格、今回は「136回2級第三問は本支店会計に注意」というテーマでお話をします。

まず、過去の出題傾向を見ていきます。
簿記2級において、第三問というのは鬼門で、最も時間がかかるところです。
私が教室で指導するときに、試験時間120分のうち30分が工業簿記で、90分で商業簿記を解くように言っています。

そして、商業簿記90分のうちの45分を第三問に使います。
ちなみに第一問が15分、第二問が25分で、残りの5分は見直しなどの時間に充てます。
時々、第三問だけで50分から60分ぐらいかけてしまう人がいますが、そうなると合格しづらくなりますので、時間配分はきちんと守ってください。
出題傾向をしっかり分析して、問題ごとにきちんと手順をマスターして、スムーズに作業をしてください。

第三問の過去の出題実績をみると、だいたい5つのパターンしかありません。
まず、精算表ですが、過去7回のうち3回は精算表が出題されています。
最近は精算表が多かったので次は出ないだろうなとは思いながらも、どうなるかはわからないので、この5つのパターンを一通りやってください。
130回から135回の出題内容をみると、精算表が3回、本支店会計はだいたい3回に1回の割合で出ています。

そろそろ本支店会計が出題される可能性があります。
本支店会計がなぜ繰り返し出題されるのかというと、大事だからです。
簿記2級が想定している株式会社は支店独立計算制度とも言われている形態で、支店独自に経理担当者を置いて、支店独自の損益計算書・貸借対照表を作るケースが多いのです。
そういった状況を考えると、本支店会計がよく出るのも不思議ではありません。

しかし、受験生にとっては苦手意識が高いところでもあるのです。
だからこそ、差が付きやすい論点なのです。
本支店会計はそろそろ出題される可能性が高いので、ぜひ対策をしていただきたいと思います。

その他の論点としては、最近は出ていませんが、財務諸表が131回で出題されています。
損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を解かせるオーソドックスな問題なので、そろそろ131回を解き直しておく必要があると思います。
同じく最近見ない論点として、決算3勘定があります。
決算3勘定は苦手にしている人が多く、これが出題されると合格率が下がる傾向があります。

決算3勘定とは、損益勘定と繰越利益剰余金勘定と繰越試算表(または残高勘定)です。
残高勘定ならば大陸式簿記法で、繰越試算表ならば英米式簿記法です。
ちなみに、決算3勘定の問題は135回の1級商業簿記で出題されているので、そろそろ2級でも出る可能性があります。
簿記2級の決算3勘定は、期首の繰越利益剰余金を推定させる問題が出てくるので、そこで戸惑う人がいます。

なので、これに関する総合問題を1個ぐらい手がけておくと安心だと思います。
そして、滅多に出ませんが、決算整理後の残高試算表も出たことがあります。
しかし、決算整理後の残高試算表はそれほど難しくないです。
最近の流れからいって、そろそろ危ないのは本支店会計だと思います。
本支店会計をノーチェックのまま本試験に臨むのは怖いので、対策をしてください。
あとは、財務諸表です。

なので、130回と133回の過去問を3回程度解いて、45分で完璧に解けるようにしておいたほうが、次の試験に安心して臨めます。
それでは、130回と133回で出題された本支店会計の内容について整理しておきます。
どちらも良問ですが、130回で出題された本支店会計はT字型の損益計算書を書かせるという、オーソドックスな形式になっています。

なので、これを完璧にできるようにしてほしいと思います。
そして、133回では

(1)本支店合併損益計算書(報告式)
(2)本店・支店の損益勘定の残高
(3)支店勘定の繰越残高

の3つが出ましたが(2)と(3)は少し変わった形式で難しい問題です。
しかし、これが出来るようになっておくと簿記1級の本支店会計が楽になるので、将来的に簿記1級の受験を考えている方は、(2)と(3)はできるようになってください。

(1)の「報告式」とは、上から「売上高」「売上原価」「売上総利益」「販管費」「営業利益」……というように段階的に利益を表示する方法で、この問題はとても重要かつ良い問題です。

なので、130回の本支店合併B/SとP/Lの作成と、133回の(1)だけでも良いのでやっておけば、7割ぐらいは狙えと思います。
(2)は本店・支店それぞれの損益の残高を求めさせる問題です。

本支店会計の本質を理解するという意味では非常に良い問題なのですが、勉強時間が取れない受験生にとっては厳しい論点なので、ここまで無理してやる必要はないのかなという気はします。

決算整理事項や未達事項を考慮した後の本店と支店における税引後の利益を求めるという、少し難しい問題なので、将来簿記1級の勉強をする方は、試験が終わってからでもいいので見ておいたほうがいいです。
支店の損益というのは、本店における支店に対する投資勘定です。
支店勘定というのは支店に対する投資なので資産です。
ここに支店の損益をプラスするのです。
多くの方は本支店合併財務諸表を作るところで終わってしまいますが、本当は、本店独自の帳簿の記入があります。

本店における支店勘定の評価に支店の損益を足すのですが、今の話はわからなかったら無視して構いません。
ここまでやらなくても合格点を狙えますので、満点を狙わないのであれば、本支店合併損益計算書をやるだけでOKです。

(2)と(3)は、いわゆる帳簿の締切なのです。
ここを外しても7割は取れるので、とりあえず133回は本支店合併損益計算書(報告式)と、130回の本支店合併損益計算書の勘定式と貸借対照表をマスターすれば良いでしょう。
ここで本支店会計の全体像をおさらいしておきます。

まずは登場人物が3人いると思ってください。
まず、本店独自の経理担当者Aさんと支店独自の経理担当者Bさんがいます。
この2人は総勘定元帳と仕訳帳を持っています。
それとは別に、AさんとBさんの経理をした結果、本店・支店それぞれの決算整理後T/B(残高試算表)を単純合算した試算表を受け継いで、そこから全社ベースの外部報告用の決算をまとめるCさんがいると思ってください。

試験で主に問われるのは、本店・支店の経理の前期T/Bから始まって、それぞれの未達整理・決算整理をやったら、電卓で合算して、Cさんが受け継いで行う合併整理(照合勘定の相殺と内部利益の控除)をして、合併B/S、P/Lを作るパターンです。
130回と133回の(1)はこのパターンです。

(2)と(3)の場合、本店・支店それぞれで決算整理後T/Bを作ったあとに決算振替をするのです。
損益振替と資本振替をします。
支店における本店振替は本店勘定に振り替えます。
そしてこれを繰り越します。
この部分は「ブラックボックス」のようなもので、ここについてはあまり理解する時間がありません。
なので、「ブラックボックス」の部分が試験に出たら、この部分についてはスルーしてください。

試験に多く出るのは、前期T/Bから未達・決算整理をした後に合算T/Bを計算し、照合勘定の相殺と内部利益の控除を行って、合併のB/SとP/Lを作る問題です。
本支店会計の場合、合算とか内部利益の調整があるので、精算表や普通の財務諸表の作成と比べて決算が楽です。
決算を軽くしないと時間が足りなくなるからです。

本店と支店の2つを処理しなければならないので、他の一般的な財務諸表の作成問題に比べると決算整理が半分以下の量しかありません。
決算整理の部分に点数が来るので、しっかりやってください。
2級ではブラックボックスになりやすい決算振替ですが、支店で資本に相当するものは本店勘定です。

そして、本店のほうは、支店の損益を「借方 支店」「貸方 損益」と処理しますが、このへんは簿記1級でやりましょう。
ブラックボックスの部分が問われたのが133回の(2)(3)です。
今回お伝えしたように勉強をしておけば、136回の試験で本支店が出ても戦えますので、頑張ってください。

もちろん、他のテーマが出題される可能性もありますが、まずは本支店を最優先で学習して、その後に他の対策もしていきましょう。

私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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