わからない取引の仕訳は暗記してもいい【独学で簿記1級215】
みなさん、こんにちは。
がんばろう日商簿記1級合格、今回は「わからない取引の仕訳は暗記してもOK」というテーマでお話をしたいと思います。
これは、柴山式の簿記1級講座で合格した方にインタビューをしてわかったことです。
2012年6月の試験対策で簿記1級に受かった高校3年生の男の子がいるのですが、彼は高校生なので日商簿記検定1級に受かったとはいいながら、実はビジネスのすべてを知っているわけではありません。
ましてや学生なので、社会に出ているわけではありません。
したがって、簿記1級で扱うような高度なビジネスというのは実体験がありません。
それでも受かってしまうのです。
これはなぜかというと、想像力やビジネスの知識もそうなのですが、簿記1級の試験で問われていることのほとんどは計算手続き、事務処理能力なのです。
この事務処理能力のレベルが高いので、これに合格するのは非常に素晴らしいことです。
合格した高校生に「簿記1級で何が一番苦労したか?」と聞いたら、「税効果会計が全然わからなかった」と言っていました。
これは合格した後もそうです。
では、どのようにして対応したのかというと、とりあえず取引のパターンを見て仕訳を覚えたそうです。
実際、税効果会計の仕訳は10個もありません。
大事なものを挙げれば、圧縮記帳の積立金方式を入れても、多分6つぐらいだと思います。
圧縮記帳の積立金方式を理解しようとして苦手になりますが、理解できない場合は覚えてしまいます。
他にも、法人税等調整額が出るケースや繰延税金資産・繰延税金負債、その他有価証券評価差額金ぐらいですから、せいぜい6つか7つなのです。
英単語を3千個4千個覚えるのに比べたら、そんなに大変なことではありません。
高校生に税効果会計がわかるわけがありません。
もっというなら、社会人だってわかりません。
税理士試験を受ける人や税務をやっている方で、法人税の別表5を知らないと理解できません。
理解しようと思ったら実務でやるしかありませんが、ほとんどの方は税務をやっていなので、税効果会計の問題を解けというのが「無茶ぶり」なのです。
したがって、日商簿記検定1級というのは本来ならば無茶ぶりである論点が多いのです。
でも、それを解かないと受かりません。
先ほどの高校生の話を例にとれば、「わからないものは覚えれば良いのですよ」ということです。
なるほど、と思います。
それでいいと思います。
どうしてもわからない場合は、理解しようとしないで、一部は覚えてしまえばいいのです。
処理ができなければ受からないからです。
理解しているかどうかを確認する試験ではありません。
もちろん、10のうちの5か6か7ぐらいは理解していると思いますが、8以上理解する必要はないということです。
理解は程々でいいので、どうしてもわからないものは無理に理解しようとしないで、試験のときまでは暗記で対応してしまって良いのです。
だから、暗記が悪いわけではありません。
まず、暗記をしてできるようになった後に、将来、どこかの実務で出会ったときに調べればいいのです。
実務で出会ったとき、「あのとき、訳がわからなくて仕訳は暗記していたけれど、こういうことだったのか」ということで、後付けで理解が伴うことがあります。
よく「仏作って魂入れず」と言いますが、まさにそれで良いのです。
どうしてもわからないところに魂を入れようとしても無理があるので、魂を入れることは諦めて、まずは仏だけつくってしまいましょう。
形だけ覚えてしまうのです。
そういう部分はせいぜい2割か3割なので、気にせずに、割り切って仕訳を覚えてしまいます。
工業簿記・原価計算の場合も、処理の計算パターンを覚えてしまえばいいです。
困ったら暗記でOKです。
学者になるわけではないので、完璧な理解は求めないでください。
どうしてもわからない取引の仕訳などは暗記してしまってOKということを、2012年6月に簿記1級に合格した高校生の体験を元にお話しました。
ご参考になれば幸いです。
簿記1級をめざしているすべての方を私は応援しています。
がんばってください。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。