エビングハウスの忘却曲線

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「エビングハウスの忘却曲線」というテーマでお話をしたいと思います。繰り返し学習の重要さを説いている理論です。

何らかの自己啓発や心理学、記憶術、勉強法について調べたことのある方はご存じの方も多いと思いますが、こういった曲線があります。

大まかに説明すると、ある勉強をして、1度習ったことは20分経つと半分近く忘れています。

したがって、習った後の20分後ぐらいにもう一度やると元に戻りやすくなるのですが、とりあえず1日おきの復習を考えてみます。

柴山式の簿記1級講座では最初にガイドブックというものを見てもらうのですが、多くの方から「このガイドブックは使いやすい」と好評いただいています。

このなかで「インプットについては、時間は短くてもいいから3回知識の確認をしましょう」ということが記載されています。
これが後々、知識の定着に非常に効いてきます。

柴山式の場合は、できればその日のうちに1回、2日目に1回です。
勉強をした日か、あるいは翌日でも良いのですが、できれば、1時間の勉強をしたとしたら、15分か20分でもいいので、その日にやったことを振り返ります。

これが1日目の確認です。
そして24時間後にもう一度やります。
そして3日後にももう一度やります。

それをやることによって、インプットをした事柄が、要点だけでも記憶に残りやすくなります。

すべてをやる必要はなく、「キーワード」「関心のあること」「大事だと言われたところ」の3つについて、単語ベースで構いませんので、見直して知識を思い起こすだけでも違ってきます。

3回思い起こすということですが、たとえば、エビングハウスの忘却曲線でいくと、習ってから20分後には40パーセント以上は忘れています。

そして右下がりできて、1日経つと25パーセント程度まで下がってきます。
ここでもう一度復習すると100に戻ります。

それがまたずっと下がってきて、2日目は50パーセントまで忘れるレベルが少し緩やかになります。
そして2回目の復習をしてまた100に戻します。

そうすると、3日後には75パーセントぐらいまで覚えるべきことが残っているということです。

ここまで上手くいくかどうかはわかりませんが、多分、このときの実験というのは、簿記1級のような難しい知識ではなく、簡単な事柄で実験をしたのかもしれないので、必ず75パーセントの記憶が残っているとはいいません。

日商簿記検定1級の場合は、そもそも難しい事柄なので、理解をしないで覚えるということは難しいかもしれませんが、この実験結果は大きな示唆を与えています。

まったくやらないと、簡単な事柄でも75パーセント忘れてしまうのです。
みなさんが勉強すべき難しいことはもっと忘れてしまいます。

しかし、せっかく習ったことは、わかる範囲のなかでも復習しなければ1日放っておいただけで75パーセントを忘れてしまうのです。

それをまずは1回復習して100に戻して、1日経って50パーセントに下がったものをまた練習して100に戻し、さらに75パーセントに下がったものを100に戻すというやり方をすれば、一応、そのときにある程度理解したものは忘れません。

理解したものでも3日もすればほとんど忘れてしまうのです。
これが問題なのです。
したがって、理解したことをまずは記憶として定着させる復習が必要なのです。

わからないことをわかるようにするために復習するわけではなく、今できている知識を忘れないように復習するのです。
忘れることを食い止めるのです。

これによって理解できている知識が定着して、その知識の定着がどんどん積み重なって、わかっている知識の蓄積を元に2回転目をやれば、1回転目にわからなかったことが分かるようになるのは自然の道理なのです。

1回転するうちに、すぐにわかったことだけでも蓄積しておけば、知識はわかる範囲で一通り入っているのです。

一通りの全範囲のわかる範囲の知識をエビングハウスの忘却曲線の考え方を使って復習して、頭に75パーセント残った状態で2回転目をすれば、当然、初めて勉強するときよりもあなたの力はついています。

その段階で2回転目に進むのです。
だから「わかったつもりで先に行きましょう」ということを常日頃申し上げているのです。

わかったところも忘れてしまっているのです。
わかったところを覚えていると思ったら大間違いです。

エビングハウスの忘却曲線で一番大事なことは、「わかっているところを忘れないようにしましょう」ということです。

わかっているところであっても、放っておくと1日で75パーセント忘れてしまうので、これでは積み重ねることはできず、2回転目の勉強へ進むことができません。
だから、「わかっている範囲でいいので復習しましょう」と申し上げているのです。

わかっている範囲の積み重ねがあれば、必ずそれをベースに2回転目は最初にわからなかったことがわかるようになっています。

エビングハウスの忘却曲線の本当の意味は「わかっている知識を失わないこと」なのです。
わかっている知識を失うから、わからなくなるのです。

わかっている知識であっても、1日2日3日と放っておくと75パーセント以上忘れてしまうのだから、それを忘れないように記憶に留めておくことを全範囲積み重ねます。

どんなに初心者でも日本語でやっているのだから、授業の中で10パーセントや20パーセントはわかる部分があります。
その、わかる範囲を忘れないことなのです。

それによって、1回転で一通り最低限の知識が身に付いて、全範囲を見たという事実が残るわけなので、それを元に2回転目をやって、わかるようになっているというのが、私が提唱する「わかったつもりで先に行く」なのです。

しかし、わかったつもりで先に行くにしても、その範囲でわかったことを忘れてしまったら意味がありませんから、それを忘れることを食い止めるために、繰り返し勉強するのです。

だから、復習はわかったところをやればいいのです。
わからないところを無理矢理やる必要はありません。
そのうちわかるようになります。

まずは、わかる範囲のところを忘れないようにしましょう。
エビングハウスの忘却曲線の正しい使い方をこの機会に覚えておきましょう。

わかったところを忘れないようにするだけでも、充分あなたの実力はアップします。
ぜひ参考にしてください。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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