米国株のダウ308ドル高と円安87円台(13*1*3*日経電子版)
1月3日の日経電子版です。
祝日明け2日の米株式相場が大幅に続伸しました。
ダウ工業株30種平均の12月31日の終値と比べて308ドル41セント高い
1万3412ドル55セントと、昨年10月18日以来の高値で終えました。
減税打ち切りと歳出の強制消滅が重なるアメリカの財政の崖がいったん回避されたために、投資家の心理が改善したということです。
つまり、「雰囲気で株価が上がる」という典型的な状況ですね。
また、外国為替市場では、2日のニューヨーク外国為替市場で円相場が続落し、昨年12月31日の終値と比べて60銭円安の1ドル87ドル30~40銭で取引を終えました。
少し前の状況を考えると、たいへんな変化ですね。
いまは、外国企業の株式を持つこともあるでしょうから、実務上、その決算における評価のルールを知っておく必要があります。
たとえば、短期的に株価が変動して利益が出たときに売買して運用益を稼ぐ目的で有価証券を所有している場合、取得時の購入額(取得原価)から、決算日における時価に評価を切り替えなければなりません。
このような評価方法を「時価基準」とか「時価法」などと呼びます。
国内企業の株式を購入した場合には、そもそも円建てなので、為替相場の変動による影響を考える必要はありませんね。
(例)A社は国内企業X社の株式100,000円を購入した。
⇒決算日になって円建てのX社株が108,000円に上昇したので、貸借対照表上の有価証券の評価額を108,000円とした。
<仕訳>
(借方)有価証券8,000円 (貸方)有価証券評価益8,000円
(損益計算書)
この点、外国企業の株式は、
(1)外貨ベースの時価の変動
(2)1ドル当たりの為替相場の変動
の2つの要因で期末の時価が決められます。
為替相場の変動に基づく差額は、ほかの取引ならば「為替差損益」という為替変動の利益または損失と考えます。
しかし、外国株を短期の売買目的で購入した場合、それは「為替相場の変動も織り込んだ円貨による売却処分価格」で評価するのが通常ですので、外国相場の変動も外貨ベースの時価の変動もいっしょにして「有価証券評価損益」とすればいいんですね。
(例)B社は外国企業Y社の株式1,000ドルを一ドル75円で購入した。
(取得時の原価は75,000円)。
⇒決算日になって円建てのX社株が1,100円に上昇し、一ドルは80円になったので、貸借対照表上の有価証券の評価額を88,000円とした。
(借方)有価証券13,000円 (貸方)有価証券評価益13,000円
(損益計算書)
※有価証券評価益の計算
⇒(1,100円×80円)-(1,000円×75円)=評価益13,000円
このように、為替相場の変動と外貨ベースの株価変動を同時に織り込んで有価証券評価損益を算定するのが現行の会計実務なんだな、ということを知っておいていただければうれしいです。