公社債の取得
「公社債」は、経済的に価値があります。
したがって、簿記の世界では、債券の取得を、「有価証券」という財産の
取得ととらえ、資産の増加として仕訳・転記します。
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lesson.032
★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★
(読者数1815人) 2004.08.04
関連HP http://bokikaikei.net/ (月・水・金 午前中)
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【CONTENTS】
○ 公社債の取得
(※図が見にくい方は、画面の表示を等幅フォントにしてみて下さい!)
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○ 公社債の取得
公社債とは、公債と社債のことです。
また、公債とは、国債と地方債のことです。
国 債:国が債券を発行して行う資金調達の手段(負債)
地方債:地方公共団体(都道府県、市町村)が、債券を発行して
行う資金調達の手段(負債)
社 債:株式会社が債券を発行して行う資金調達の手段(負債)
※社債の例
株式会社 投 資 家
―――――― ――――――
―――――
|現金の払込| ←←←←← ☆
―――――
―――――
☆ →→→→→ | 社債券 |
―――――
債券は、将来の元本の返済を受ける事ができるだけでなく、毎年、一定
期日に利息をもらえ、さらに、転売することもできます。
このような「公社債」は、経済的に価値があります。
したがって、簿記の世界では、債券の取得を、「有価証券」という財産の
取得ととらえ、資産の増加として仕訳・転記します。
この点は、前回学習した、株式と似ていますね。
(取引例)売買目的で債券を取得し、現金を支払った場合(※日商3級レベル)
(借)売買目的有価証券 ×× (貸)現 金 ××
【転記】
+ 現 金 -
―――――――――――――――
| ××
|
+ 売買目的有価証券 -
―――――――――――――――
××|
|
※上記の勘定科目は、「売買目的」という語を削って、単に「有価証券」という
表記もOKです。
※有価証券の取得原価は、「購入代金+付随費用(売買手数料など)」です。
◆ 練習問題
次の取引を、仕訳・転記しましょう。
A社は、Y社の社債(額面1,000,000円)を、時価の980,000円で取得
した(売買目的)。購入代金と売買手数料15,000円は、現金で支払った。
※額面とは、満期に返ってくる金額です。
【解答用紙】単位:円
<仕訳帳>
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(借) (貸)
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<総勘定元帳>
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+ 現 金 -
―――――――――――――――
|
|
+ 売買目的有価証券 -
―――――――――――――――
|
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【模範解答】単位:円
<仕訳帳>
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(借)売買目的有価証券995,000(貸)現 金 995,000
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<総勘定元帳>
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+ 現 金 -
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| 995,000
|
+ 売買目的有価証券 -
―――――――――――――――
995,000|
|
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※995,000円=980,000円+15,000円