家計簿から始まる「バランスシートと資本の関係」

「前を向いて歩こう」らしくない話題かもしれませんが、今回は「会計とは何か」ということについてイメージするためのヒントとなるお話をします。
 
私たちは普段、個人として財産を扱っています。
会社に勤めたりして労働をして収入を得ます。
その労働収入がまだ少ない間は自分の生活費にしかなりません。

しかし、月々2・3万程度でもコツコツ貯めて3年5年10年になると300万円ぐらいは貯まることがあります。
 
それぐらいのお金が貯まってくると、今度は事業を興そうという気になってきます。
そして今度は従業員に働いてもらって、事業を興して投資したお金から収入があります。
 
そういった自分の労働以外の手段で収入を得る時に、労働以外の手段に預けたお金のことを資本といいます。
 
そういったことを図にしてみましたが、個人の私がいます。
労働収入が最初に100あるとして、毎月1,000円の生活費が掛かるとすると、1,000円のためのお金を一生懸命稼がなければいけません。
 
この間はまだお金が貯まっていないので、自分の消費に精一杯です。
自分の持っているお金を私財といいます。
 
私が時々参照するアダム・スミスの「国富論」という本があります。
この中に「ストック」という言い方があって、それが「私財」と訳されています。
 
これには生活に回される部分が基本としてあります。
その間、お金に余裕がないですが、多くの労働者はこの状態です。
 
そこから徐々にお金が貯まっていきます。
ストックが増えてくると、生活に回さなくても貯めておけるお金が出てきます。
 
ある程度貯まってくると、今度はこのお金を収入を得るために何かに預けるわけです。
これを「投資」といいます。
 
アダム・スミスの「国富論」の世界では、ストックのうち消費に回るもの以外で、そこから収入を得ようとして活用するストックの一部のことを「資本(キャピタル)」といいます。
 
これが生活財に回される、消費財とは別のストックです。
ストックのもう1つの姿は、消費財ではなくて資本という形になります。
 
資本に預けることを私たちは投資と呼びます。
投資をすると、ここではじめて家計簿の消費とは別の帳簿が出てきますが、これを「会計帳簿」といいます。
 
ですので、会計帳簿というのは家計簿から分離したものなのです。
個人の家計簿からスピンアウトしたものの集まりが会社の帳簿なのです。
 
そして、キャピタルが預けられると、バランスシートの右側の資本に加えられます。
私たち個人(株主)から預かった資本は、収入を得るために預かったので、配当などの形でリターンを与えなければいけません。
 
これが会計の基本です。
それとは別に借金をしていますが、借金したものと資本をまとめて財産に投下します。
 
企業は現金や商品や設備などの財産に投下しますが、その元となるお金が銀行などからの借り入れと株主からの資本です。
 
ここで問題なのは、株主から預かった資本は株主である個人と会社との間の架け橋なのです。
 
この資本に対してどれだけのリターンが得られるかで株主はその会社に再びお金を預けるかどうかを判断します。
 
判断するための基準を明らかにするのが企業会計の役割で、バランスシートという形できちんと財産が運用されているかを表します。
 
これにプラスして、損益計算書(インカムステートメント)で収入の内訳も出します。
収入の内訳とバランスシートを明示することによって、「この会社がきちんと財産を運用してくれて、資本から一定の割合の額を配当してくれているな」ということが分かります。
 
私たち個人は労働収入の他に資本からの収入も得られるわけです。
資本からの収入、すなわち労働収入以外の収入手段があればあるほど、私たちは豊かになる可能性があります。
 
これは「金持ち父さん」でも言っている話で、企業会計というのは基本は個人から預かったお金を企業が運用して、個人に資本収入としてどれぐらい与えられるかという可能性を明示するためのデータを集計する役割があるのです。
 
従って、個人に対する説明書きなのです。
資本に対してどれぐらいの収入を与えられるのかという説明書なのです。
 
説明のための資料を作るのが企業会計の役割です。
そして、説明をしますが、経営者である社長が「1年間みなさんから預かった資本を運用して、一定の配当をしますが、これでいかがですか?」と聞くのが株主総会です。
 
その説明を聞いて「この人に来年もお金を預けよう」と思ったら、株を継続して投資して、経営者を継続して選任します。
 
例えば、10パーセントの配当が欲しいのに3パーセントの配当しかなかった場合、経営者に能力が無いと思われて解任されます。
 
あるいは、その会社にお金を預けるのをやめて、返してもらうことを株主の売却という手段で脱退します。
 
売るということは株の価格が下がりますので、あまり売られてしまうと困ってしまいます。
ですから、売られないように、持っていたくなるように、買いたくなるように魅力のある事業を行うことが経営者の役割です。
 
ですから、企業会計による説明というのは大事です。
1年間でどれぐらい資本を運用してリターンを返せるかという説明をします。
 
これが会計の役割です。
家計簿から分離して会社の専門家に任せることが会計の分離です。
 
会計の役割は、資本からどれだけの収入を与えられるかということを説明することです。
そういったことを考えると、説明するための資料づくりである簿記・会計の知識が大事だということが分かって頂けると思います。
 
ご参考になれば幸いです。
私はいつもあなたの成功・発展を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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